いつも通学はニノと一緒だった。
今日は朝から雨が降っているから、バスで学校へ行く。
雨の日のバス停までの道のりはなかなかの混雑で、
すれ違う人と傘がぶつかってしまい、 俺はうまく歩けない。
その後ろ、俺が作った通り道をなんなく歩くニノ。
蛇行してる俺を見て、笑ってやがる・・
ちょっとムッとした俺は、お前の真似して口を尖らせてみる
俺だってたまには拗ねるんだよ。
ニ「バス来たよ」
大「…見えてるよ」
バスに乗り込んで、自然と一番後ろの席に隣り合って座った。
駅と反対に向かうこのバスは、ポツポツとしか人は乗っていない。
ニ「智ってば、
さっきから口尖らせて(笑)
なに怒ってんだよ?」
大「別に怒ってねーし」
ニ「ごめんね?」
大「……」
俺の顔を覗きこんで、
首を少し傾けて、
俺の苦手な、上目遣いで。
・・まぁ苦手というか、大好きなんだけど//
俺もごめん。
って言わなきゃ・・
あ・・
俺・・
いま、キスしたい。
返事もせずに、そんなことを考えていた。
そう。思ってたのは、俺。
のはずなのに。
ちゅっ
大「えっ、?///」
なぜか、ニノからキスされた。
それは突然のことで。
ニ「・・仲直りのキス、ね?」
大「おっお前っ、、アメリカ人かよ!//」
なんて、微妙な返しをしてしまって。
ニ「ブッ」
ニ「そこは、欧米か!とかさ(笑)」
すぐに、いつもの空間に戻っていた。
一瞬だったけど。
優しいキスだった。
ニノといる時間
ニノがいる空間
絶対に失いたくないから
お前が好きだなんて
絶対言っちゃいけないのに。
もう俺の気持ちは満タンで、溢れ出る寸前だった。
なぁニノ。
なんで?
なんでキスなんかすんだよ、、
人の気も知らないで。
