空は蒼く ところどころに小さな白い雲が泳いでいます
地は碧く ところどころに色とりどりの花が揺れています
地平線はどこまでも続き 風は緩やかに吹き抜けて行きます
でも
僕の心は ここにありません
何を見ても 何を聞いても
綺麗だとか素晴らしいとか 感じることができません
地平線の美しさや 風の気持ちよさなど 何も感じられないのです
ただ そこにあることが事実なのです
僕の心はからっぽです
どこへ行けば 見つけられるのでしょうか
どこへ行けば 取り戻せるのでしょうか
からっぽの僕には
その術さえ 見つけられません
トクン トクン と 規則正しい鼓動が聞こえる。
ふと目を開けると それに映ったのは 丸い形の茶色いもの。
ぼやけた焦点が合い それがボタンだとようやく認識する。
そして 自分がうつらうつらと眠っていたことも。
少し埃っぽい日向の匂いと 体になじんだタバコの匂い。
体を少し捩ると あたしの頭の下に敷かれていない方の腕が ギュッと体に巻きついた。
少し苦しくて でも少し嬉しくて
身をゆだねて もう一度目を閉じてみる。
トクン トクン トクン トクン トクン・・・
トク トク トク トク トク トク トク・・・
速さの違う2つの音が あるタイミングでぴたりと重なる。
その瞬間が嬉しくて 自然と笑みがこぼれた。
いつからだろう
馴染み深い 俺の部屋
レースカーテン越しに 窓からの優しい風
窓際の 大きめなソファー
心地よく 体が沈んで
くつろげる場所
そこに
いつの間にか 君もいるようになった
さっきまで
音楽をかけて たわいもない話をして
楽しそうに 笑っていた君
俺は タバコをくわえながら
そんな やわらかな空間で
心地よさに 身をまかせる・・・
ふいに
静かになったね
気がつけば
すやすやと 寝息を立てて
あどけない顔で 俺の腕にすっぽりおさまった
この部屋に 君がいる
なんの変哲もなかった 殺風景なこの部屋は
君がいるだけで いろんな色が見えるようになった
きっと 気がついていないだろう
君の存在で 俺が変わったってこと・・・
腕枕が少しだけ 軽い
眠り姫は お目覚めか?
君の存在を 確かめたくなって
ふいに 抱き寄せた
少し きつめに
でも 包み込むように
君を もっと感じていたいから
トク トク トク トク トク トク トク・・・
トクン トクン トクン トクン トクン・・・
君の方が
少しだけ リズミカルだね
目を閉じて 音に身をゆだねると
俺のリズムと 時々交わるのがわかる・・・
二人の奏でる音楽に
心ゆくまで 身を任せ
君と このまま踊り続けたい・・・
理由がない?
勇気が足りない?
そんなこと、歩き出せば後からついてくるものでしょう?
始めるのに悩む必要がある?
始めるのに躊躇することがある?
いつだって 大切なのは初めの1歩
大きく足を踏み出せば どんなことだって越えていける
今しかないこの『瞬間』だから
恐れずに 始めてみようよ
そう あなたの言うとおり
今の私は
まるで おびえきった捨て猫のようだね
なにもかも すべてをあきらめている
あなたの声が 心に響くよ
見上げれば
空はこんなに 澄み切って
風は 私を追い越してゆく
一歩 この一歩を踏み出せば
あとは 風が味方する
わかっているのよ
わかっているのに
風の中で 立ち止まったまま
一歩も動けないでいる
考えている時間は もうないのに
あなたが歩き出す
一歩一歩 しっかりと大地を踏みしめて
「待って!」
声が届かない あなたが遠くなる
一歩・・・
躊躇しながら 踏み出した
所在無い私を 風が後押しする
あなたを 見失いたくない
私を 見失いたくない
今しかない この『瞬間』を
一歩づつ 歩き始めよう
あなたの強さを もっと見たいから
大丈夫
まだ あなたを見失っていない
大丈夫
まだ 自分を見失う前だから・・・
ロマンティックな あの人は
自分だけの世界を 持っている
私にも 時々
そんな世界を 語り聴かせる
輝いた瞳は
まるで 少年のようだね
ああ・・・
あなたの世界の 住民登録簿に
私の名前
いつか 見つけられるといいのに・・・
背筋を伸ばして 未来を見据えて
挑戦的なその瞳は 時折私を苦しくさせる
今にも歩き出しそうな姿勢
今にも飛び立ちそうな背中
今のままじゃ とうていあなたには追いつけないけれど
いつか 歩みを並べたい
いつか 歩みを並べてみせる
そのときは あなたの翼にしがみついて
住民登録簿にしっかりサインして
一緒にどこまでも飛んで行こう・・・
いつまでも
見つめていたい
あなたの横顔
たとえ
あなたが
微笑み返すことがないとしても・・・
でもいつの日か
ほんの一瞬でいいから
あなたがわたしを見てくれたら
わたしに微笑んでくれたら・・・
暖かい午後の陽だまりや 何気ない喧騒の中で
時々 目を覆い耳を塞ぎ しゃがみこんで叫びたくなるのです
お願いだから 静かにしてください・・・・
と
あなたは彼女が好きで 彼女はあなたが好きで
どうしようもないとわかっているのです
悲しいけれど わたしの場所はないのです
わかっているのに 心は動いてくれません
彼が好きで 好きで
苦しくて
時々 わたしの中で暴れだすのです
笑うあなたが
不機嫌なあなたが
優しいあなたが
意地悪なあなたが
彼女が
騒がしい喧騒から 少しだけ離れた
僕の勤める カフェに来る
頼むのは ココア
香り高い湯気が
ふわっと 彼女を包み込む
静けさが
いつも 彼女を包み込む風景
なのに 苦しそうだ
いつからだろう
まなざしが どこか遠くを見ていて
ココアの香りも 木漏れ日の眩しさも
彼女に 届かなくなったのは・・・
以前 3人で来てたっけ
とても 仲が良さそうだった
女性2人 男性1人
でも いつの間にか
来るのは 彼女だけになった
恋愛の方程式・・・
彼女の周りは
本当に 静かなのだろうか
心の 静寂の中に
身を落ち着ける時は 来るのだろうか・・・
彼女が
僕の勤める カフェに来る
心の静けさを求めて
僕は
いつものように ココアを差し出す
口に含んだ瞬間が 待ち遠しい
そっと
マシュマロを 忍ばせておいたから・・・
彼女が
この 静かな風景で
心にも 静けさを取り戻せるなら
僕は
どんなことでも してあげるのに・・・
普段何気ない顔で 君の隣にいる僕ですが
気がかりで仕方ないことが有るのです
君は今 幸せですか?
例えば す・・・と僕から視線を逸らしたり
例えば ひまわりのような笑顔を僕に向けたり
何気ない君の仕草のひとつひとつが 僕の気持ちを揺さぶるのです
君は今 幸せですか?
教室の窓から 爽やかな風が届いて
私の 髪を通り抜ける
風が吹く先へ 移した視界に
何気ない顔ですました 彼がいる・・・
彼は今 幸せなのかしら?
いつも 何気ない表情で
この 退屈な時間を 黙々と過ごしていて
大勢の中にいるのに 自分の時間の流れを保ってる・・・
彼の存在が 気になって
視線をわざと ずらしてみたり
とびっきりの笑顔を 向けてみたり
そう
何気ない表情の彼に 私なりのエッセンスを数滴・・・
そろそろ 香りに気づいたかな
彼は今 幸せなのかしら?