自分のアビダルマ理解の助けとなるように わかってきたと思うことを記しています
間違いもあるかもしれませんが ご容赦ください
詳しく正しく知りたい方はご自身で 調べてみてください
佐々木潤先生の動画や本が役に立つと思います
《覚書4》輪廻転生
りんねてんせい(てんしょう)と読むのは多くの日本人なら知っているのではないでしょうか
「生きている時の行いがよいと 次に生まれ変わる時により良い世界に生まれ変われる」と私は理解しています
輪廻転生は日本に広まった大乗仏教の多くの宗派が取り入れている考え方ですが 仏教が生まれた頃つまりお釈迦様が生まれた頃に すでにインドにあった考え方であり 仏教特有のものではありません
現代では「人が別のものに生まれ変わる」ということをにわかに信じる人は少ないと思いますが 当時のインドの厳しいカースト制(生まれた時にすでに社会的階級が決まってしまって変更することはできない)の下の方にいた人々にとれば 現世が厳しいからこそ次はいい世に生まれたいと思うのは素直な人間の願望だったかもしれません
インドに限らず 仏教が伝搬した中国や日本でも生まれ変わったら良い場所に行きたいと思い この考え方は多く受け入れられて行きました
インドでは輪廻転生してカースト制の最高峰バラモンとして生まれたいと願っただろうし 日本では輪廻転生の繰り返しを飛び越えて極楽浄土という世界に生まれて仏となりたいという考え方に発展して行きました
現世が厳しいからそこから逃れたい どこかに安穏の地がありそこに生まれ変わりたいと願うことは 人の気持ちの流れとしてとてもよくわかります
でも繰り返しますが 輪廻転生は古来インドの土着の発想であり 日本では大乗仏教に受け継がれていったものです
お釈迦さまの輪廻転生に対する考え方は 良いところに生まれ変わりたいというものではありません
お釈迦様は輪廻から離脱することを人生の目標としていました
⭐︎ 私がここでお釈迦さまと言っている対象は「仏様」ではありません、、3000年前 生きることに真面目に向き合った一人の人間のことです
お釈迦さまは当時に流布していたこの輪廻転生の考え方では人は救われないと考えました
お釈迦様は 生きること自体を生老病死の苦しみと考えていたので 転生しながら生を繰り返すことでは 生老病死からは逃れられないと考えていました
唯一その苦しみのループから逃れるためには煩悩を断ち切り涅槃に入ることだと説きました
涅槃が悟りの境地の到達点だとしました
そこには楽も苦もなく 煩悩から解き放たれた何もない世界らしいです
その悟りの境地にいたるため つまり人間が抱えている煩悩を断ち切るための教えが釈迦の教えです
生きたい 死にたくない という根源的な人間の考えさえ人間の煩悩と捉えているところに私は強く心惹かれます
繰り返していますが 私がこれを書くのに参考としているのは佐々木閑先生の本や動画です
佐々木先生は大乗仏教以前のお釈迦さまの教え(阿含経やスッタニパーダやジャータカやダンマパダ)をパーリ語原典で研究しておられます