閉館を知らせる館内放送。。
「1981年の開館以来。。。」
丸い空間を囲むようにたくさんの人が静かに、その最後を告げる若い学芸員の声を聞いていた。
たくさんのセレモニーで見送ることができたけれど、このアナウンスの数分のことは、きっと忘れないだろうな。
開館して閉館する美術館のその時に立ち会えたことも。
私の美術家としての歩みは、
まさに1981年にその一歩を踏み出した。
勉強しない私が持つ知識は、おそらく近美が教えてくれたものが基本。
作品を展示してもらえる機会にも恵まれ、
そしてささやかながら移動に関わることもできている。
足繁く通ったとは言えないけれど、
「愛着」がある。
こんなにまじまじと建物を見ることはなかった。
外観はシャープだけど、内観はとってもソフトでシンプルで、気持ちのいい時間が流れていた。
この35年の間に、油絵しか描いたことのなかった私は日本画の道に進み、偏りがちな世界の中で、常にジャンルを越えた好きなアートを教えてもらうことができた。
寄り道だらけの活動で自分が何者かわからなくなる時は「絵描きでしょ」と確認させてくれた。
でも影絵で表現することも受け入れてもらった。
多くの作家さんと知り合うこともできた。
繋げて育ててくれた学芸員の方々の謙虚で真摯な存在が、この外観と内観に重なる。
先日、次の新しい美術館の若い設計士と話す機会があった。
でも新美術館への期待や思いを描くには
まだ少し時間がかかりそうだな。
近美の次の人生(館生?)が気がかりなのだ。
