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●第10章 (1/10)

(才蔵さまのあんな言葉、聞きたくなかった…)
私は壁を向いて、布団の中に丸まった。
その時、すっとふすまが開いた。
才蔵「**、もう寝てるのか?」
**「………」
才蔵「おい、**…」
**「…触らないで!」
才蔵さまが、伸ばした手をぴたっと止めた。
**「さっき…廊下で、おりくさんと話してたでしょう?」
才蔵「ったく…なんだよ、盗み聞きしてたのか」

『そのかわり、タダじゃないぞ』
**「才蔵さまは、おりくさんを助けるかわりに体で返してもらうの…?」
才蔵「………」
**「そんなの、おかしいよっ! そんなやり方、汚い…!」
!!
才蔵さまに、ぐいっと両手で肩をつかまれる。
才蔵「おまえ、俺を何だと思ってるんだ?」
**「………」
才蔵「俺は忍びだ。役目のためなら、平気で女だって抱く」
**「役目…?」
才蔵「ここは宿屋で、人の出入りも多い。あの女と親しくなれば、情報も引き出せるだろ」
(そのために、才蔵さまはおりくさんと…?)
才蔵「こんなこと、俺たちの世界では大したことじゃない」
**「……イヤです!」
私は、まっすぐに才蔵さまを見つめた。
**「才蔵さまが、他の女の人を抱くなんて、イヤ……!」
才蔵「だったら、おまえも抱いてやろうか?」
**「……!」
才蔵さまに、布団に押し倒される……

●第10章 (2/10)

**「いやっ…やめて…!」
才蔵「なんだよ、おまえも抱かれたいんだろ?」
**「いやっ…!」
(手首を強くつかまれて、振りほどけない…こんな風に抱かれるなんて、耐えられないよ…!)
**「…離して!!」
どんっ!
私は夢中で、才蔵さまの体を突き飛ばした。
**「あ…愛してないのに、抱かれたくなんかない…!」
才蔵「………」
**「うぇっ…ひっく…」
(涙が、どんどん溢れてくる…才蔵さまにつかまれた、手首が痛い…胸も、引き裂かれるように痛い…)
才蔵「忍びは、役目のためなら、どんな汚いことだってする」
**「…………」
才蔵「わかっただろ? 俺とおまえじゃ、生きてきた世界が違うんだよ」
(生きてきた世界が違う…)
才蔵さまが立ちあがって、くるっと背中を向けた。
才蔵「俺は、向こうの部屋で寝るから」
(どうして…? こんなに才蔵さまが好きなのに……この想いは、永遠に届かないの…?)

●第10章 (3/10)

翌日。
(結局、あれから才蔵さまと、一言も口をきいてない…)
「もうすぐ、日が暮れるな…」
(才蔵さまは、朝から情報収集に出かけてる。そろそろ、帰ってくる頃かな…)
その時、庭の木戸が開く音がした。
**「…おかえりなさい」
才蔵「ああ…でも、もう一度出かけてくる」
(もう一度って…おりくさんと、ヤクザの屋敷に乗り込むつもり…n?)
才蔵「おまえは部屋で大人しくしてろよ」
**「…はい、わかりました」
(おりくさんと出かけてそのあと…)
才蔵『この続きは、明日だ…おまえの体で、たっぷり楽しませてもらうぞ』
**「…ごめんなさい、才蔵さま」
私は細心の注意をはらって、二人のあとをつけた。
(…こんなところで、足音を立てない修行が役立つなんて)
才蔵『俺は忍びだ。役目のためなら、平気で女だって抱く』
(でも…あとをつけて、私はどうするつもりだろう。才蔵さまの、お役目を邪魔するの?
そんなこと、許されるはずないのに…)
**「これじゃ、忍びの姫、失格だよ…」
(それは分かってるけど、でも…どうしても、部屋でじっとしていられない…)

●第10章 (4/10)

やがて、うっそうとした森の中に、一件の屋敷が現れた。
(すごい、大きなお屋敷…ここに、ヤクザの親分が住んでるの?)
**「あっ…人が来る…!」
(どうしよう…そうだ、あの木の上に隠れよう!)
私は素早く、木の上に駆け登った。
(…ここでも、木登りの修業が役に立っちゃった。才蔵さまに迷惑かけるために、
習ったわけじゃないのに…)
その時…
(あっ…窓から、才蔵さまとおりくさんの姿が見える…!)
私は、じっと二人の口元を見つめた。

才蔵「親分は、ずいぶん立派な屋敷に住んでるんだな」
おりく「はい…おくどい金貸しで、私腹を肥やしてるようです」
(それで、多額の借金を背負わされて…おりくさんも、気の毒な人だな…)
その時……
犬「ワンワンワン!」
(!!…見張りの犬に見つかっちゃった!)
**「お願い、吠えないで!」
犬「ワンワン!」
**「私が見つかると、大事な人に迷惑かけちゃうの!だから、お願い……!」
犬「…クゥーン」
(ほっ、よかった…私、本当に猿回しに転職したほうがいいかも…)
男「おい! あの木のあたりで、犬が吠えなかったか?」
(あっ、見張りの男たちがやってくる…このままじゃ、見つかっちゃう…!)
私は木の枝から、屋敷の壁の出っぱりに飛び移った。
(ど、どうしよう…ますます、才蔵さまに接近しちゃった)
私はそうっと、窓の中の様子を眺めた。

●第10章 (5/10)

才蔵「親分は、もうすぐやってくるんだな」
おりく「はい…本当にごめんなさい。わざわざ、こんなところまで来ていただいて」
才蔵「だから言っただろ? タダじゃないって」
才蔵さまが、おりくさんの体を抱き寄せる…
おりく「十兵衛さま、いけませんわ…」
才蔵「何がいけないんだ?」
おりく「だって…そんな事したら、着物が乱れてしまう…」
おりくさんが胸に手をやって、着物の乱れを直した…
その時…
才蔵「これを探してるのか?」
(短刀…?!)
才蔵さまの手に、短刀が握られてる…
おりく「なっ…何をおっしゃってるんです?」
才蔵「さっき、おまえの胸元から抜き取ったんだ」
おりく「………」
才蔵「色じかけを使う相手を、間違えたな」
(色じかけ……?!)
おりく「……おのれ、霧隠才蔵!」
!!
才蔵さまが飛び上がって……
一瞬で、忍び装束に早変わりした。
おりく「も、ものども、であえ! であうのじゃ!」
ふすまが開き、青装束の忍者たちが、雪崩れこむ。
(おれは…蜂須賀家の忍び…?!)
蜂須賀家の頭領「霧隠才蔵…さすが、抜け目のない男だな。おまえは、蜂須賀家の頭領だな」
(あの気味の悪い男が、蜂須賀家の頭領……)

●第10章 (6/10)

蜂須賀家の頭領「おぬし…いつから、おりくがくノ一と気づいておった?」
才蔵「初めからだよ」
おちく「な、なんだって…?!」
才蔵「おまえがヤクザものに突き飛ばされた時、身のこなしを見て、くノ一だと気づいた」
(才蔵さまは、初めから気づいてて…それで、わざとおりくさんに…)
蜂須賀家の頭領「なるほど…だまされたフリをして、われらに近づいたのじゃな」
才蔵「その方が、話が早いからな」
蜂須賀家の頭領「フン…大した自信家じゃな」
才蔵「口だけかどうか、試してみたらどうだ?」
才蔵さまが、すばやく鎖鎌を抜いた。
おりく「やっちまいな! いくら霧隠才蔵とて、この人数相手じゃ…!」
忍者たちが、一斉に才蔵さまに斬りかかる
忍者「ぐおおっ!」
忍者「うわあっ!」
(す、すごい…忍者たちを、次々と鎌で切り刻む…!
これが、才蔵さまの真の実力なんだ……)
おりく「ええい! ふぬけの下忍どもめ!」
蜂須賀家の頭領「…才蔵、わしが相手になろうぞ!」
蜂須賀家の頭領が刀を抜き、才蔵さまに切りかかる…!
(す、すさまじい勢いで刀と鎌が交錯する…
あまりに早くて、目を追うことすらできない……)
忍者「動くな」
!!
青装束の忍者に、刀を突きつけられる…
忍者「おまえは、楠の姫だな?」
**「…………!」

●第10章 (7/10)

忍者「頭領、楠の姫を捕まえました!」
才蔵さまが、窓の方を振り返る。
才蔵「**…、おまえ、なぜここに…?!」
蜂須賀家の頭領「…スキあり!」
?!
その瞬間。頭領が口から何かを吹き出した。
(あらは…毒針?!)
才蔵「くっ…!」
才蔵さまが首を押さえて、ゆっくりと倒れる…
**「才蔵さま! …いやあああ!!」
蜂須賀家の頭領「なるほど…これが忍術の源流を継ぐもの、楠の姫か」
才蔵「………」
才蔵さまは、ぐったりと横たわったまま、動かない…
**「お願い、解毒剤を渡して!」
蜂須賀家の頭領「…………」
**「私の首を、信長に差し出して! 私は、どうなってもいいから…!」
蜂須賀家の頭領「信長公は、楠姫と忍びの首、どちらもお望みじゃ」
**「………」
蜂須賀家の頭領「おまえたち、姫を柱にくくりつけろ」
蜂須賀家の頭領「霧隠才蔵は、体を縛って、天井から吊り下げるんじゃ」

●第10章 (8/10)

私を柱にくくりつけ、才蔵さまを天井から吊り下げて、忍者たちが出ていった。
**「私が、つまらない嫉妬をしたばかりに…」
才蔵「おまえ…足音を立てずに、歩けるようになったんだな」
**「…ごめんなさい! 謝ってすむことじゃないけど、私のせいで……!」
才蔵「おまえが無事なら、それでいいんだ」
(才蔵さま……)
**「このままじゃ、体に毒が回ってしまうわ…!」
才蔵「俺は、ガキの頃から土器に慣れてる。そう簡単に、死にはしねえよ」
おりく「さあ、それはどうかしら?」
**「おりくさん…」
おりく「その毒では、すぐには死なないよ。一晩かかって、じっくりと苦しみ…
やがて、死に至るんだ」
おりくさんが、まっすぐに私を見つめた。
おりく「どんな気持ちだい? 自分のせいで、目の前で人が死んでいくのは」
**「おりくさん! お願い、解毒剤を…!」
ぱしっ
おりくさんに、頬を叩かれる…
おりく「おたしは、あんたみたいな甘ったれた女が、一番嫌いなんだよ!」
**「………」
おりく「フン…でも、なんたのお蔭で、霧隠才蔵をいたぶる機会が手に入った」
おりくさんが、胸元から革ひもを取り出す…
ピシッ
才蔵「うあ……!」
おりく「痛いだろう? この皮には、無数の釘が刺してある」
**「お願い、やめて…!」
ピシッ
才蔵「くっ…!」
才蔵さまの体から真っ赤な血が噴き出す…

●第10章 (9/10)

ピシッ
その後も、おりくさんが、何度もひもを振り下ろす…
おりく「いい眺めだねえ…美しい顔が、苦痛で歪んでいくのは」
**「お願い…もう、やめて…お願い…」
おりく「うるさい女だね! あんたも、いっしょに拷問されたいのかい!」
才蔵「こ…殺すなら、殺せ…」
おりく「…ふーん、まだ口がきけるんだね」
才蔵「だが…そいつには、手を出すな…」
おりく「………」
才蔵「そいつを傷つけないでくれ…頼むよ…」
(才蔵さま…)
おりく「このお姫さまは、ずいぶん大事にされてるんだね。それとも…
女として、惚れてるのかい?」
才蔵「…おまえには、関係ねーだろ」
おりく「フン…さすが、霧隠才蔵。こんなしぶとい男は、はじめて見たよ」
その時、すっとふすまが開いた。
忍者「おりくどの、頭領がお呼びです」
おりく「………」
おりくさんが、じっと才蔵さまを見つめた。
おりく「明日の朝…あんたの死体を見るのを、楽しみにしてるよ」