6,上海の街
荷物を置いて軽装で街へ飛び出す。
まずは飛行機の切符売り場を目指す。
どんどん歩き、道を尋ね、バスに乗り、
周囲の乗客に降りるべき停留所を尋ねる。
しかし何とかたどり着いた切符売り場で
やっと手に入ったのは目的地の昆明行きではなく、
そこから約600キロ離れた成都行きであった。
少しでも早く次に駒を進めたいと思う余り、
何日も待たねばならぬ直行便を諦め、
明日発てる成都行きで妥協し、
そこから昆明を目指せばよいと思ったためであった。
【将棋を指す人とそれを見守るギャラリー】
喧嘩成都と昆明の距離と高低差など、そのときの
僕の頭にはなかったと言っていい。
(とにかく明日発てる。)
【けんかとそれを取り巻く野次馬】
上海のレストランで
気分的に楽になった僕は、
その日は有名な上海雑技団のサーカスを
どこかのお兄さんからチケットを安く買って見物し、
メインストリート南京路の新雅粤菜館で
上海料理に舌鼓を打ったのである。
この上海料理は途中の「浴徳池」つまり上海風呂で
全身アカスリをしてもらった時に
知り合った日本人学生と3人で食べたのだが
その美味なること、25元は本当に安かった。
その時はまだその後起きる様々なハプニングを
知る由もなかった。
8月4日。
朝目覚めた僕はホテルのそばの道端で
おばさんが売っていた「ヨウティヤオ(油条)」
という揚げパンに似たものをほうばった。
朝食は露天のこうした庶民の味に限る。
しかも長さ30センチ幅3センチ位のものが
一本1角2毛(約4円)という値段である。
もちろんホテルの中には立派なボーイ付きのレストラン
もあるが、そういった所へ行かないのは言うまでもない。
上海の街は、すっかり欧米や日本の資本に毒され、
あちこちに「日本電気」や「精巧」「可口可楽(コカコーラ)」
などの看板が目につく。
中でも驚いたのは十数年前の日本を
思い起こさせる「扮達(ファンタ)」と「雪碧(スプライト)」の
熱狂的な人気ぶりである。
特にスプライトに関しては、
上海の虹口空港で食事をしたときにウェイターが
「絶対うまいから飲んでみろ」と強引に勧めるのには閉口した。
その時は他にジュースもお茶さえもない、
というので少しでも喉の渇きを潤そうと注文してみたところ、
冷蔵していない常温のスプライト350ccの缶が丁重に運ばれてきた。
この時はさすがに頭を抱えてしまった。
一緒に頼んだチャーハンを生温かいスプライトで流し込みながら、
彼らの得意げな顔に文句を言う気力もなくしてしまったのである。
彼らをここまでスプライト信奉者に仕立て上げるなんて、
げに資本主義パワーは恐ろしいものである。
【ケンタッキーフライドチキン】
【上海の街・点描】
南京路1
南京路2
(南京路・90年当時はこんな感じでした。)
(裏路地)
上海で買った万能ナイフ「旅行大刀具」の箱。
全然「万能」じゃなかったけど、これが唯一の「武器」だった。









