途中で更新が途絶えましたが,アフリカスタートアップ修行が無事終了しました.
忘備録のため,成果のまとめ.
その他体験できたことのまとめ.
全体的にいうと,以下のことが収穫だった.
<得たこと>
・自分で市場調査,ユーザー/カスタマーの価値分析,要求分析を一人できちんとしてからの製品開発を行えたこと.物によっては資金調達から,営業まで成功させ,それが一通り体験できたこと.
・道具や情報が制限されている中で,物事の原理原則を守れば,技術はきちんといかせて,考えればある程度の物は作れる自信がついたこと.
・共感できないと思っていた,異文化圏できちんと考え,きちんと分析すればちゃんと共感できるところまで持って行けたこと.
・自分が手を出せないところを人に任せれるようになったこと.
・0からサービス開発をし、形まで持って行けたこと。
<反省点>
・明らかに語学力不足.英語力も全然足りていなかった.また,現地の人とコミュニケーションをとるにあたり,辞書は買ったものの2ヶ月しかいないからといってKinyarwandaを覚える気がなかったのが致命的.
・現地の人が組み立てれないと意味がないと思い,しばらく待っている時間があった.実際自分で溶接やらセメントを作っていると,現地の人も面白がって一緒にやってくれた.初めからそうすればよかった.
全体的には自らビジネスモデルから開発計画の提案,顧客開拓まで積極的に動けてよかった.また,以前南アフリカにいたときは異文化や環境の違いを言い訳にしていたけど,そんなものは些細な違いしかなく,本質的なことは変わらないとして進めていけばうまくいくと経験できたのはよかった.
それぞれの案件についてのまとめ(簡単に書いてますけど,ペルソナとかはちゃんと作ってます)
<バイオトイレの開発(ユーザープロトまで)>
(1)背景
ルワンダ人はすごく綺麗好きだけど,田舎に行けば行くほどトイレの設置は難しい.
原因としては,いちいち建物を立てて,そこに穴を掘って.トイレを作っているから.
また,人糞は貴重な資源であるため,回収して堆肥として使っている.
そういう理由もあり,田舎のトイレは結構臭い.
(2)課題
トレイの設置が難しいこと.
水へのアクセスが難しいこと.
資源として使えること.
臭いこと
(3)ペルソナ
村落コミュニティに所属しているご老人
及び5歳くらいの子供
(4)想定カスタマー
・コミュニティ教育を行なっている団体.
・ドメスティックな開発組織(RDBなど)
(5)コンセプト
従来のトイレと使い方,形状をできるだけ変えないこと.
水が不要で,臭いが消せること.
トイレの穴に落ちて死なないこと.
資源として使えること
→堆肥及びブリケット(炭の代替品)の使用を前提とすること.
(6)具体案
・簡易式のトイレにて,下に人糞を入れる容器を収納.
・トイレが終わった後には,おがくずを撒いて,堆肥への発酵が必要な量の
水分を残しつつ臭いを消す.
.トイレが終わったとは自動的におがくずを巻くこと.(おがくずを撒くことは現地の人も,旅行者も慣れていないので忘れる可能性が高い.忘れると臭いがすごいことになる)
<ロケットストーブの開発(機能プロトまで)>
(1)背景
メインのエネルギーとして薪や炭を使用している(75%とか政府の資料には書いていた)ルワンダにおいて,
調理用,及び産業用のエネルギーとして大量の木材を使用している.
政府としては国立公園での森林伐採を禁止しているが,お金が必要なため,コミュニティでは未だに森林伐採が
行われている.少しでも木材の森林伐採を防ぐため,燃焼効率をあげたストーブを開発する.
(2)課題
・薪を使用するときは,乾燥させずに使用するため燃焼効率がすこぶる悪い.
・断熱性の悪いストーブを使用しているため当然燃料効率が悪い.
(3)ペルソナ
・レストランでの調理場
・お茶工場
(4)想定カスタマ
・レストランオーナ
・工場のオーナ
(5)コンセプト
・既存のストーブに対して,簡単に設置して燃焼効率をあげれること.
・煙が出ないレベルまで完全燃料さえるように,酸素過多の状態を作り上げること.
(6)具体案
煙突の原理を使用した,空気の吸入装置(ヒートライザ)によって
燃焼効率をあげること.
<簡易小型バッテリーの開発(機能プロトまで)>
(1)背景
僕が滞在していた地域(kitabi)では停電が多い.(他の地域はわかりません.)
また資源も少なく,輸入品が多いためバッテリーが高く,そのため
再生可能エネルギーの普及が難しい.
(2)ペルソナ
コミュニティの主婦
(3)想定カスタマ
コミュニティの主婦
(4)課題
・バッテリーが高いこと.
(5)コンセプト
・安価で,簡単にメンテナンスできる
(6)具体案
・空気燃料電池を現地の材料で製作する.
<ブリケット製造装置の開発,資金調達,営業>
(1)背景
ぼくのもともとのここで修行しにきた目的.
おがくずを使ってブリケットを作りたいとの要望があった.
(無料で手に入るし,いっぱい余っているから)
これに関しては,日本円にて100万円程度の純利益が見込める
養鶏場の顧客と契約できたこと.
さらなる利益が見込めるお茶工場と契約できたこと.
ウガンダの環境団体から支援を取り付けたこと.
これらが今までの仕事とは全く違う成果で嬉しかった.
(2)ペルソナ
お茶工場
(3)想定カスタマ
お茶工場
(4)課題
・炭化が綺麗に中までできない.
・量産できない.
・おがくずしか使えない.
(5)コンセプト
・その他の有機廃棄物(籾殻や,食べ残し,おがくずなど)を使用できるようにしてより汎用性を広げること.
・人糞も使えること.
・現地で簡単に作れること.
・品質を安定させること.
(6)具体案
・炭化の時にはできるだけ酸素を少なくし,より純粋な炭化を行うこと.
・より簡単にプレスできること.