東日本大震災から、12年経ったのかな。


なんでも住民票がその時福島県にあれば8万円貰えるという噂を聞き、


問い合わせてみた。


多分その時は郡山市に住民票があったはずだ。

貰えるものは貰おうと、問い合わせてみた。


その時の住所と初めての旦那さんの生年月日や住所をはっきり覚えていて、



「私は離婚して、場所も、名前も変わってますが、大丈夫なのですか?」



そう聞くと、


「本人確認が取れたので大丈夫です。今の名前を教えてください」



「私はその間にも短いですが結婚していますが大丈夫ですか

?」


再度確認すると


「あ、それは関係ないです」


凝視


「今の名前を教えてください。あなたの1番最初のご主人と、分断します。」



まだ繋がっていたの?


「分断するにあたり、前のご主人にも確認の電話をします、宜しいですか」



はい……。


私の名前をいつぶりに聞くのだろうか、申し訳無いと思ったが仕方ない請求書が彼の所へ行ってしまう前に電話してよかったと思うと同時に、



あの人の笑顔を思い出した。


深い悲しみを共有したたった1人の人。


あの時は稚すぎて愛情が分からなくて彼を傷つけた。

急に色々思い出して、


知らないうちに涙を流していた。

本当の夫婦ってなんて深いところから繋がるのだろうと今更知った。



優しくて、私をいつも愛してくれていたのに、傷つけることしか出来なくて、



けど間違いなく愛してたことを今更ながら気付いた。



私はあなたの居た所よりもっともっと田舎に居るよ。



幸せですか?

元気ですか?



そして私はあのころのわたしを見つけた。


傷ついて傷ついて、幼い頃から深い傷を持ち



自分自身を探していた。



M君はあなたと似ていて、面白みは無いけど、ピュアで、優しくて、あなたと同じ干支で、


あなたの方が一回り大人だけど、



あの頃と同じわたしをやっと見つけたよ。


違和感と記憶はそれだった。

私がわたしをみつけていた。


今は届かぬ想いだけれど、


もう深すぎる傷の記憶を共有することも無く、

互いに完全に忘れられるはずもなく、



宙に浮き続けるあの人との何かは消えることなく、

心にしまい触れない思い出として、


この空と繋がっている。





わたし に逢えたのは、


愛された記憶

だ。



傷つきながら彷徨い、



星や月を見る私はそれに似ていて、

キャンプをして


最初は現実逃避から始めたかもしれない、

苦しかった、苦しみの中で、




M君が手を差し伸べたのを握り、決して離さず裏切らず約束を貫いた。



今年は猛暑だ。

どんなに水をあげても枯れつつあるベランダの花は、ついには枯れて、


それでも美しかったときもある。


私はもう一度、本当に最後の、幸せになれるチャンスをやっと得た。



それは、私自身わたしに戻りもう一度本心で生きていけるチャンスでもある。


幸せになるヒントはいつも心の中にあったのに、

これを解くのは、古文よりずっとずっと難しかった。




最後まで御付き合い下さり大変ありがとうございます。