たまに隣のサイトから、
夫婦喧嘩が聞こえたりする。
子供が泣いてもエスカレート。
かつて私たちもそうだったんだ、みっともないな……。
自分の思い通りに出来ない嫁に対し、夫がイラついている喧嘩が多かった。
食事や、撤収の際、手際が悪いと、夫が妻に当たる。自分でやればいいのに……。
妻はあしらい方になれているのか、
それでも謝ってばかりの家族キャンプは、
聞いていても不愉快。
私はそれが嫌でソロキャンを始めた。
女性が男性より力がなかったり、届かないところがあったり、
外で料理を失敗してしまったりは仕方がないと思ったけど、
タープが上手く張れなくて、妻に文句を言うのは違うと思う。
キャンプブームも何となく前より落ち着き、
本当に好きな人しか行かなくなったと思う。
旦那からしたら、家族サービスのつもりが、
妻や子は、喧嘩するのが嫌で、
悪循環に陥る。
1人でキャンプを覚えるってとても大変で難しく、
でもそのうち何となく覚えてくると、
ソロキャンプが楽しくなる。
様々なカッコイイものに憧れるようになる。
最初はこのブランドで、沢山のこと覚えて楽しんでいた。
私は朝日しか撮らない。
夕日は昔から嫌いだった。
テントを変えてからさらに楽しくなり、
料理もそこそこできるようになっていた。
こんなに楽しいのに喧嘩なんか勿体ないと今だから思うけど、
自分も周りを不愉快にさせていたなと改めて馬鹿だなと思う。
M君。
趣味も同じで、本当に大切な人。
もうすぐでベトナムへ旅行へ行った時から、1年経とうとしている。
つい最近のことみたい。
あの景色は一生忘れられないが、
あの頃もう喧嘩する気もなかった。
辛かった。苦しかった。孤独だった。
初めての海外で私は出国できるのか不安だった。
本当にVISA切れ15分前にJAPAN行きの飛行機に乗れた。
英語と、日系の病院に助けられた。
それとあの警備員さん。
振り返ると、日本はやはり平和だ。
キャンプだって、心も金銭的にもゆとりがあるから出来るわけで、
物価上がったなんだかんだ言っても、
生きていける。
こんな田舎でもJAPANと言うだけで、
幸せなんだと、
今は思う。
だから、キャンプに来て夫婦喧嘩なんて、本当に贅沢すぎて、笑ってしまう。
私はこの道をあと何回走るんだろう、
もう引っ越すこともない、この土地で、
海のそばでひっそりと最愛の人と暮らす。
いくつもの人生を歩んできて、
波に削られた石みたいに、
ここにたどり着いた。
M君が
「Yさんがどんなに変わっても、過去に何があったとしても、どんな生き方や人格があっても、
俺はここで幸せにする」
初めてほんとうに人を愛せたとともに、
初めて人に愛されていると感じる。
最後までお付き合い下さり大変ありがとうございます。