もう待ってられなくて、


「プロポーズっていつなの?」

聞いてしまった。



「僕なりに考えた日と、一生で最初で最後と決めていたことばがあります、


それと……」



それと???


「なので内緒です。でももうすぐです。」




えー

何時だろう🕑?

考えたけど分からない。


今度のキャンプの時かな?



けど

「こんな年になって、

本当に私は今幸せです。


こんなのはきっと、本当に生きてきて初めてだと思います。


私はホントに苦しかった。ずっと生きづらさを抱えて、


何処にもない幸せを探してきました。

幼い頃から、何度死のうと思ったか分からない。


それがいつしか憎しみに変わり、常に復讐心を心に抱き、


だけどあなたと出会えて、

私は本当に幸せだと感じてます。


幸せって、神田川の歌で、幸せはこわい、とありますが、


本当に幸せなら、安心感しかないんですね。」





「嬉しいです、けど神田川って歌を知りません。古文ですか?」



あ、そうか、時代が違うわな。


よく父が歌っていた、歌の歌詞とメロディをYouTubeを流して聞かせてみた。



「今は便利だよね、ジェネレーションギャップがあってもネットですぐ見れるから。」


そのうち関連動画とかで、「上を向いて歩こう」

とか、いっぱい出てきて、


本当に父が昔歌っていたものばかり出てきて、


「私はきっと父に愛されたかったんだと思う。

勉強のできる優秀な子供じゃなくても。


だから勉強なんて嫌いで辞めてしまった。

そしたら、父はもう私に話しかけること、無くなりました。


父は教育の現場と、様々な高校生の進学率を上げるためだけに生きていき、ゆとりを廃止させ、学力向上のことばかり考えてました。


そんな他人の、優秀な子ばかり好きなんだなと、

本当は寂しかったんだと思います。


本当のわたしを、ずっと見て欲しくて、

それでも、亡き今、



私を守ってここまで導いてくれたのかなって、

今なら思えます。」



きっと私の生きづらさの、寂しさの核であろう事が自然に伝えられた。


伝えながら、そうだったんだと思う私も居た。



「Yさんにもう寂しい思いさせない。僕はあなただけしか一生見ない、約束します。

あとは、もうあとほんの少し待っていてください。」



もうプロポーズみたいなこと言われてるのにこれ以上のことあるの?

多分生きてきていちばん嬉しい、幸せなときを今過ごしている。


このために私は苦しくても生きづらくても頑張ってきた。


両親に認められる事じゃない、

愛する人ひとりに愛されること。


やっと会えたこと。



1人でテントを張って星座盤を心に持って空を見てた。




満月を何度も見た。




初めてのキャンプであなたを撮った。



出会い




運命って本当に分からない。

これを撮っていたのはあの人だ。


あの人に会わなければ、

辿り着かなかった。



はじめて会った時から好きでした

その言葉が、想いが



こんなふうになるなんて、


本当に信じられなかった。


無意識に

「ありがとう」



て言ってた。

何に対してか分からないけど。



私は私をきっと取り戻した。

完全では無いけど。治る病では無いけど。



人を愛する事は素晴らしく哀しい。


その時、読んだ本や、

学んだ古文や、

百人一首の歌の意味を、本当の意味を知った気がして、



趣深いの意味がわかった。


いとをかし…。








最後まで御付き合い下さり大変ありがとうございます。