離婚届は用意してた。

保証人らんも書いてもらって、


持ってた。


もうダメだって思った。


彼は何も言わずに、


「わかった」


と言って次の日に提示したお金を私に渡した。


私は

「札幌に帰ってやり直して」

そう言って、


私だけこの街に残ろうと思った。

キャンプ用品が散らばる物置となった彼の部屋に彼は寒い中1人寝てた。



その時、なんの感情も私になかった。


「本当に後悔がなければ、そのまま進みなよ」

誰かの声がした。



その時彼が

「俺は思ってもいないことを言ってしまう、売り言葉に買い言葉というか、本気でそんなこと思ってない」



そう言った。




頭に浮かぶ余計な格言。


私は

「傷つきすぎて、もう遅い、何もかも。」



彼は

「……わかった」


…それも思ってもいない「わかった」なの?



Yが頭の中で話す。頭の中かガヤガヤしてきた。


……1度目の離婚でこんなに悩んだ?あの時みたいにまだなってないよ



私は暫くそんな感じで仕事だけは休んでは行けないと、

これからのためにもと、


仕事に過集中して紛らわし本当に疲弊していた。


キャンプへ行きたい。考えたい。


土日を迎えた。

キャンプで様々な事を考えたり、思い返したりした。




空を見て、眠れなくて、


彼はどんな事で怒るかとか、どんな時笑うか、どんな時私を愛するか思い出した。



アスペYの切望したチャペルウェディングを、

メイのコントロールだけで、



結婚を決めるような人じゃないことを思い出した。

空を見上げて涙が出た。


彼は、彼はどういうふうにしたら幸せなんだろう?

私が本当に足枷となっているのか、


本音なのか、私はやはり去るべきなのか、

本当に誰かに愛されたいだけなのか



分からなくなった。


離婚は1人では決めれない。

チャペルウェディングで誓った言葉、

笑顔、

罵声、

闇、



そうだ、彼も闇を持っている、

きっと愛着障害か何かそんな感じの。


……本音じゃないと言ったときあった?

あなたを引き止めている



帰ってきて、


彼が

「どうしても、喧嘩しても、嫌いになれない、なんだろうな、俺は思いもしないことを言ってしまうんだよ!もう少し一緒にいよう」



そういった。

私の傷深く既視感あり、

まだ繰り返される罠かと思った。


私は

「本当にもう傷つけない?」


そしたら彼は

「……わからない、ごめん、俺はまた多分言ってしまうかもしれん」



正直だな、真っ直ぐだな本当に。

私は少し笑った。



確かに前の離婚の時こんなにも色んな感情や人格は現れなかった。



私はその時、

初めて、始まりを感じた。



私の中のY、が

何かを覚えていて、完全に私を引き止めた。




最後まで御付き合い下さり大変ありがとうございます。