⑥ 私は悪い子なの?
結はもしかしたら口座を確認していないかもしれない。
昨日の夜に結へ、LINEした。
「結の口座に、○○円入金した。確認してほしい。」
と、それだけ書いて送信した。
未だ連絡は来ない。既読になっていない。
入金した事を知らないのかもしれない。
M君よりLINEがあり、
『結は元気だけど、バイトに行けなくて参ったといってた。俺は東京に行く約束をしていたけど、こうなってしまったから、行けないでいるよ…
仕事を辞めたら東京にしばらく行こうかとおもってるよ。』
私の幼い頃に遡る。
私は3歳ちょっと前のあの日、ひとり遊びが好きで何かを書きたくて、ひたすら机に向かって書いていた。
絵本が好きで、
早くから字が読めるようになっていた。
ふと、書いてみたい、と思い。真似てみたがなかなか書けない。
そこで書斎にいる父の部屋に行って教えて欲しいと頼みに行った。
もし人生がやり直せるとしたら、この時書斎に行くべきではなかったと、何度も思った。
私はオムツばなれも早く、
おねしょなど全くしない育てやすい子だったらしい。
ひとり遊びが好きで、常に何かを永遠にやっているように見えた
と母から聞いた。
私の記憶は、この書斎から始まる。
趣味が勉強という父に教えて貰えば、
きっと書けるようになる!
私は期待でワクワクしながら書斎に入った。
壁全面天上まである本棚に、本が沢山あった。
見たい本は何でもあった。
図書館のような父の書斎は、
当時私にとって
お気に入りだった。
私
「自分の名前を書いてみたい。」
父
「そうか!いい事だ。教えてやる、Y。」
父は優しかった。優しいと思っていた。
この日がなければ.............。
私は物覚えがとても良く、父が何かすごく期待したようだ。
しかし、やりすぎだった。
いくら物覚えが良いとはいえ、
初めて字を書くことは難しく、
どうしても1文字間違えてしまう。
次第に苦痛になってきたので、
「もういい。」
と私が戻ろうとした時、
父
「最後までやれ!Y!もう少しで出来る!」
何かスゥイッチを入れてしまった私。
カレンダーの裏の白紙びっちりに練習させられた私。
途中から本当に嫌になってきて泣き出した。
父はやめない。
次第に書けない私に
ギリギリと歯ぎしりが聞こえた。
私はこの歯ぎしりを忘れない。
これは殴られる前のサインになると、後に知ることになる。
突然目の前に父の拳が見えたのを今でも覚えている。
そこから激痛が走る。
何度も何度も痛みだけが思い出される。
突然の事で訳が分からなかった。
恐怖すら感じなかったが
泣いて私はおもらしをしながら、
母に助けを求め走った。
母に抱きしめられ安心する私。
母は直ぐに父を責めた。
その時父は放心状態になっており、
しばらく経ってから
私に謝ってきた。
土下座の意味を知らない私に
何度も謝ってきた。
お気に入りの書斎は、
一瞬にして牢獄と化した。
私は震えが止まらなかった。
読んで頂きありがとうございます。
⑦ お前なんて死ねばいい
かなりフラッシュバックしながらも
少しずつ整理出来てきている。
私は結と違って別人格を作る事は無かったようだ。
隣で仕事しているけいご君が、
より愛おしく、
安心させてくれる

結.......。
結はたまに記憶を取り戻しているのだろうか?
私が大人になってからの父への態度は
当たり前だが酷かった。
あの書斎の日からずっと高校受験までに
されたことは
いくら肉親であろうが許せるものでは無い。
毎日アザを作り暴力が終わるのを耐えていた。
あまりもう気力がなかった。
自我が芽生え、発達障害、アスペルガー症候群とわかり、
多分普通ではない人格形成が為されたと思う。
中学3年ぐらいから、父に対し、恐怖から憎しみのみになっていた。
母は助けてくれていたが、
父へのリスペクトが尋常じゃないぐらいの物で
私がどんなに母へ訴えても、
母が見ていない所で父は私を虐げたので、
軽く考えていた。
母
「Y、教育方針は、お父さんは間違っていないし、お母さんだって幼い頃は叩かれたりしたのよ。どこの家にでもそういうのはあるから。」
まぁ、何を言っても無駄かなと諦めた。
しかし、私が中学2年の時
母は、父が私へのもはや発作とも言える虐待を目の当たりにした時。
母
「お父さん!何をしているの!!やめて下さい!」
私の代わりに殴られた母。
母が泣いた。
そして静かに
「出ていきます。弟2人と私を呼んだ。」
うろたえる父。
母
「みんなおいで!お母さんと一緒に出ていきましょう。」
私はとても冷めた目でそれを見ていた。
弟達2人は母にすぐついた。
私は
「いい。どうぞ出ていってください。」
母が驚く
「Yを守ってぶたれたのに何なの?あなたは!!」
.............。
今更、1回殴られただけで何言ってんだろう
だから言ったじゃん。
バーカ!
みんな死ねばいいんだよ
母は、兄弟を連れて出ていった。
私はどうでもよかった。
どうせ戻ってくるだろうし、パフォーマンスが可笑しくて
心の底から笑いが込み上げた。
父がうろたえている。
「お母さん!待て!悪かった」
私はそれを見て本当に笑いが止まらなくなり、
父へ初めて反発した。
「お父さんなんて、死ねばいい。みんなに捨てられて。」
父の顔を見て
笑って笑って笑いが止まらなかった。
父がまた歯ぎしり始めたので
「やれよ!殺せよ!もうどうだって良いんだよ!
こんな家族なんて無くなればいい!」
父が私を見る目付きが変わった。
何か怯える目。
「ホント死んでほしい、というか、他の家のお父さんは飲み会いったり、残業したり、
お前なんでいつも家にいるん?友達居ないの?
いるわけないよな、
やれよ、いつもみたいに叩けばいいじゃん?笑」
父が
ひざまづいて、私を見上げた。
その時の父の顔は鮮明に覚えている。
それを見て私はほんとに可笑しくて
笑いが止まらなかった.......。
私の精神状態は、
もう崩壊寸前だった。
この日から虐待の仕方が変わった。
私に一生トラウマを残した父に、
凄まじい憎しみ嫌悪感をもち、
絶対にお前が死ぬ時死を祈り復讐し、困らせてやり、後悔させよう、と誓ったと共に感情が無になった。
母にも同じく見て見ぬふりなのか、
誰も助けてくれない地獄の家に、
何故生まれてきた?セックスしたかっただけだろ、キメェんだよ、死ね
性嫌悪感を激しく抱いた。
読んで頂き大変ありがとうございます。
Pちゃんお役立ちpick
最後まで御付き合い頂き大変ありがとうございます。