みんな、みんな、なりたいんです！
●保守の場合
アベノミクスの第一の矢、金融緩和です。これは目から鱗でした。何かこれさえすれば日本経済がすべて良くなるかのような錯覚を与えました。上念＆倉山コンビです。そして彼らはその理屈を知っている人間は他のパンピー（一般人）とくらべて覚醒した特別な人間なんだ。お前たちは選ばれた人間なんだ。というイメージを与え続けました。
●リベラルの場合
故人で松井やより氏という方がいました。この方は日本軍は絶対悪で常に悪い事ばかりして来た。それを認めない日本人は間違っている！という立場の方です。ある番組でも同様の指摘をして日本人を非難していました。
（うろ覚えですが）
松井やより「日本軍は本当に悪いことばかりした。弁護する人が信じられない！うちのお父さんも軍隊にいたから聞いている！日本軍は本当に酷い・・・」
田原総一朗「お父さん、軍隊にいたんですか？･･･だったらお父さんも一緒に悪いことしたんじゃないですか？」
松井やより「は？」
田原総一朗「だって、お父さん日本軍にいたんでしょ？一緒になって悪いことしたんじゃないですか？」
松井やより「うちのお父さんは一切、悪いことしていない。だって、キリスト教徒だし・・・。」
日本軍が残虐行為をしたという話は普通の日本人には耐えがたいことです。そこから一番簡単に抜け出す方法は日本軍の残虐行為を徹底的に批判する事です。そうすることによって自分だけ他の日本人とは違って、覚醒した特別な人間になったような気分を味わえるのです。
●過去記事の「超能力信じますか？」より
少し前に面白いテレビをやっていました。その番組は手品などのトリックをバラしていくという内容で正直どうでもいいのですが、その中のコーナーでロシアの超能力学校のトリックを暴くというのが面白かったです。
その超能力学校で行われている修行が面白いのです。紙でできた螺旋状の物体に透明なプラスチックのケースを被せて置きます。そしてその前で生徒が動けと念じると手をふれずに螺旋状の紙をクルクル回せるという話です。もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんがタネ証しは人間の熱で室温が上がってプラスチックケースの中で空気の対流が起きてクルクル回るという単純なオチです。
面白いのはここからです。部屋に熱が籠もらないように生徒の数を減らして同じ実験をやらせます。当然、紙はクルクル回りません。ここで生徒たちにネタばらしをします。超能力ではなくて熱による対流だと教えるわけですが、誰一人納得しません。自分達は本当に特別な力があると皆さん力説します。何故でしょう？何故なら彼らは他の一般人とは違う覚醒した特別な人間だからです。
彼らは普段から自分たちは覚醒した特別な人間だと思っています。その一方で他の一般人を見下して蔑んでいます。しかし、超能力が嘘で存在しなければ自分たちも今まで蔑んでいた一般人と同じになってしまいます。それだけではありません。騙されていたわけですから一般人以下になってしまいます。それだけは絶対にイヤなのです。
オウム真理教の信者もそうでした。彼らは異常に学歴が高くエリート志向です。にも関わらず麻原に騙されていました。事件が明るみになっても、洗脳はなかなか解けません。何故か？それは彼らのプライドが許さないからです。
さて、ネトウヨや安倍信者にもこれは当てはまると思います。彼らも自分達をマスコミの情報におどらされない覚醒した特別な人間と思っているからです。彼らの言いぐさが妙に上から目線で攻撃的だと感じた事はありませんか？安倍信者は間違いを認めるのがイヤなんじゃなくて覚醒した特別な人間という地位からただの騙されていた人の地位に滑り落ちるのが怖いのです。
保守やリベラルに関わらず行き過ぎたプライドは時に足を引っ張るようです。
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