GM種子による世界支配 | ポン吉のブログー反TPP宣言ー

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安倍総理がTPPの交渉参加を表明した事を受けて、TPP断固反対の立場でブログを書いていきたいと思います。たまに新自由主義批判やチャンネル桜批判もします。

アンコールシリーズ、今回は「(株)貧困大国アメリカ」の第三章、「GM種子による世界支配」です。3回分を一つにまとめました。では、どうぞ!



●黄金の国イラク
イラク戦争後の自由化政策はまさにショックドクトリンと呼べるものでした。具体的な内容は100の命令と呼ばれる法律で、これはアメリカ政府が80年代から自国民に実行してきた新自由主義政策と同じ方向性のものです。

徹底的な民営化規制緩和によってイラクは多国籍企業にとっての草狩り場となりました。従業員の労働条件はグローバル市場における価格競争力強化により大幅に切り下げられ、イラク人失業者の急増とコスト削減による賃金低下が大幅に増えました。その事を利用して急速に拡大した収益は全て国外に送金されました。



●命令81号
アメリカは一年以内に生産量を倍にするというGM種と農薬、農耕器具を漏れなく提供しました。スポンサーは、モンサント、カーギル、ダウケミカルなどです。

こうした流れの中で命令81号は成立します。この「知的財産権」という項目は一見地味ですが、その後世界の国家間のパワーゲームを左右する強力な武器なのです。

「今後あらゆる新製品やその製造技術は特許で保護される。保護された製品は、20年間の保護期間、特許所有者の許可なしでの不正利用、製造、使用及び販売をしてはならない。」

これにより、種子すら特許の対象になりました。モンサントのGM種子を使う農家は世界中どこでも同じ以下のライセンス契約を結ばされます。

・自分の農家で採れた種子を翌年使用することは禁止。

・毎年種子はモンサントから購入

・農薬は必ずモンサントから買う

・毎年ライセンス料をモンサントに支払う

・何かトラブルが起きた際はその内容を他者に漏洩しない。

・契約3年は、モンサントの私設警察による農場立ち入りを許可する。




●イラクの現実
経済制裁と干魃、米軍のイラク侵攻によって離農寸前の農民に暫定政府はアメリカから送られてきた遺伝子組み換え種子と農薬を補助金つきで無料提供しました。農民達が気づいた時には毎年、特許使用料を永遠に支払うサイクルに組み込まれていたのです。



●白い金塊Bt綿
モンサントは2001年にインドでBt綿の販売特許を取得しました。Bt綿とは遺伝子操作で細菌由来の殺虫性毒素導入した蛾の幼虫を寄せ付けないGM綿です。インド政府の指揮により、在来種の四倍の値段のGM種子しか売られなくなったため農民は借金をして購入するしかなくなりました。



●農民の自殺率の急上昇
実際の収穫量は減り、肝心の農薬使用量も農薬に対して耐性強化した害虫によって倍増したという結果になりました。世界市場での価格の急落もあり、農民たちは次々に自殺に追い込まれます。2000年から2011年までに自殺者数は27万人にも達しています。


●疑わしいGM作物の効果
GM作物は最初の3年程は農薬減少をもたらすが、その後は使用量が増えていくという調査もあります。これは強力な除草剤を使ううちに進化して耐性をもつ雑草が出現し、それに対して別の除草剤を使うといういたちごっこがおこなわれるためです。



●超新自由主義国家インドの憂鬱
12億の人口を抱えるインドはアメリカ以上に二極化が進行しています。僅か人口の0.1%がGDPの4分の1を支配しています。インドの上流階級はほぼ全員が自分の子供をハーバードなどのアメリカの一流大学に留学させています。そして、そこでアメリカ流グローバリズムを学んで国際機関や自国で高い地位に就き、多国籍企業のための環境を整えるという悪循環が繰り返されます。



●危険なマイナンバー制度
アメリカが国内外で過去30年間に市場拡大政策を進めた際の規制緩和と民営化はセットで導入した個人情報一元化政策によって最大の効率を上げました。インド政府はそれに習い、「マイナンバー制度」を導入し、警察の権限を拡大します。これにより、土地の買収に抵抗する農民や政府の政策に反対する国民が刑罰の対象になり、政府の政策はスムーズに実行されました。



●憐れな末路
インドはアメリカ政府の指導の下、規制緩和を積極的に実行しました。しかし、インド農業への大規模投資やインフラ設備、技術移転といった一連の業務についての「知的財産権」を所有するのは全てアメリカ系のアグリビジネスになってしまいました。




●GM農地と化したアルゼンチン
債務超過に苦しむアルゼンチンはIMFの標的になります。緊急融資と引き替えの国内民営化と規制緩和によって農地の価格が暴落しました。それを多国籍企業と海外投資家が買い占め、モンサントのGM(遺伝子組み換え)大豆栽培が始まりました。

その結果、中小企業はインドの貧農と同じ運命をたどり、押し潰されていきます。そして、わずか四年で大豆畑は1000倍の10000万ヘクタールに拡大したにも関わらず、数十万人の農民が失業しました。



●ハイチでのショックドクトリン
地震での復興と称して、モンサントはUSAIDを通してGM種子セットをの支援を約束します。USAIDがハイチに提供したGM種子にはアメリカ国内で使用が禁止された危険な薬剤が塗布されていましたが、ハイチの国民には知らされていませんでした。



●人道支援という名の侵略
途上国をターゲットにカーギルもGM大豆種子と科学肥料、農薬の三点セットを提供しています。事情を知らないNGO団体はカーギルのスターターキットを持って世界中に進出していきます。そしてNGOが去れば、残された現地農民は種子、肥料、農薬の三点セットの代金とGM種子のライセンス料を毎年カーギルに支払わなければなりません。



●アメリカの世界戦略
1980年代の終わりになると、発芽した時点で枯れてしまうという「ターミネーター種子」が開発されます。これによって特許料の支払いから逃れるために農民がこっそり種子を保存して使うことが出来なくなります。「ターミネーター種子」は世界のパワーバランスを大きく変えることになるでしょう。何故なら種子が手に入らなければ、その国の自給率はゼロになるからです。



●NAFTA、FTA、TPPによる世界支配
アメリカは「民主主義」「強い農業」「財政再建」「人道支援」等を理由に介入し、集約させた広い農地で輸出用GM作物の大規模単一栽培を導入させ、現地の小規模農民を追い出していきました。その中でさらに強力に世界市場の拡大をする方法論として国家間の自由貿易条約が考えられました。国際競争にさらされた労働者は賃金が低下し、一方で多国籍企業は利益を上げていきます。そうした1%の為の世界作りがNAFTA、FTA、TPPなのです。




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