散歩を終えて、しばらくミーティングなどを行いながら、予定の時間まで柴田と仕事を続けていた。しかしここのところ仕事は本当に不調で、ふたりでいても全く捗らなかった。これまで数年間は、柴田と話をしているだけで色々なビジネスアイデアがどんどん湧いてきていたのに、今は全くそれが動かなくなっていた。
スランプだな・・・。
そう感じるのと同時に、とてもつまらなく苛立ちも感じていた。もちろん自分の成長の足りなさにも苛立っていたし、柴田の歯切れの悪さにも苛立っていた。
そうした中で、昼になり集合場所へ移動することにした。
今日は仕事の仲間たちとのオフ会を予定していた。オンラインミーティングはこれまでに何度も指定いるが、実際に対面するのは初めてだった。
私と柴田以外に5人のメンバーが集まってくれ、それはそれは本当に楽しい時間を過ごしていた。
その中で植田さんという、私と同世代の女性がいた。彼女は生後半年ほどの赤ちゃんを連れてきてくれた。おとなしい赤ちゃんで、私は久々の赤ちゃんに抱っこしながら過ごした。
実は横山さんと植田さんは先輩後輩関係にあたる。昨日の横山さんとのデート中「明日、植田さんに会うんだよ」と話していて、「そうなんだ。今日のデートは早めに引き上げになっちゃったし、顔出しに行こうか?」と言ってくれていたが、私が顔に出る性格ということと、なんとなく横山さんとの関係を柴田に勘付かれることが怖くて断っていた。
私は植田さんと植田さんの赤ちゃんと3ショット写真を撮って、横山さんに送った。
「植田さんだよー♪ご飯もご馳走だよ!」とLINEしてみると、横山さんから「いいなぁ。植田さんも久しぶりだね。元気そうだ」と嬉しそうに返信をくれた。
みんなとの楽しい会食と、横山さんとのLINEに私は、心が満たされていた。