映画「みんなのアムステルダム国立美術館へ」を見た。美術館に関わる仕事人達の、オタクにも近い美術品愛とプロフェッショナルとしての冷静さのバランスが面白い。印象に残ったのは日本から迎えられた一対の仏像。山奥の廃寺の山門に忘れ去られていたものに対し大切に敬意を払う学芸員の姿に、日本人が何を忘れて来たのか考えさせられた。(エンドロールで開眼式に行かれた大覚寺門跡御一行の様子を見て親近感を覚えたのは余談)
政治的な色合いも匂わせる映画だが、前向きなイメージが強かったのは作り方が上手いから？一度完成しているものをより良くするためにリセットして、あえてゼロからやり直す。困難が次々とやって来る先の見えない道程を乗り切って、完成に至った人々の表情は沁みる。