久しぶりに彼女と頻繁にメールでやり取りをして

気分が高揚していた私。

翌朝

昨日の彼女からのメールの返信もかねて

メールを送りました。
「おはよう:
 Tちゃんおはよう〓。
 昨日はBさん8時前までいて、慌てて帰っていきました。
 私も資料作成のためのビルの裏玄関の施錠寸前まで頑張りましたが終わらず、
 今日明日で自宅で作りたいと思っています。
 Tちゃん、美容室行ってきたんですね。
 また一段と美人で素敵なTちゃんになったんですね。
 Tちゃん美人だから子供たちにとっても自慢のお母さんだと思います。
 そしてTちゃんには、ご家族のこと大事にしていってほしいと思っています。
 やはり子供たちの気持ちを考えると
 今はこのままがよいのかな。お互いに普通に仕事するためにも。
 私もTちゃんとの二人のちょうどよい距離がわかるようになる日がくるまで、
 妻のことを大切して守っていかなければと思います。
 職場に行けば好きなTちゃんに逢える。
 幸せなことなのかもしれません。
 今日はご家族とお出かけするのかな?
 私は最近元気を取り戻しつつある妻と食料買い出しかな。
 今日は3月下旬としては11年ぶりの寒さと聞いています。
 Tちゃん風邪などひかないようにね〓」

この日

彼女から返信がありませんでした。

やはり昨日のメールは

彼女が家でお酒を飲んで酔ったいきおいで

あんなに長いメールをくれたのだと思います。

冷静さを失い、本心が表れてメールをくれたのかもしれません。

女性の心は本当に複雑でよくわからないなと思いました。

そして

2日後の朝も返信はありませんでした。

私は仕事が終わったあと

再度彼女にメールを送ることにしました。
「お疲れ様です;
 Tちゃんお仕事お疲れ様でした。
 今日は忙しかったのかな?
 今日も外は寒く、吹雪いたり晴れたり、冬の天気でした。
 昨日も今日もTちゃんのことを考えていました。
 いつもTちゃんの顔が目の前に浮かんできて。
 昨日は久しぶりに妻と一緒に実家に行ったり、
 今日はスーパーにお買い物に行き、あとは昼寝をしたり。
 どんなときも、Tちゃんの顔が浮かんできて。
 今何しているのかなーって考えて。
 早く月曜日にならないかなー、
 Tちゃんと一緒に早く仕事したいなと思いながら。
 今日はご家族が迎えにきてるのかな。それともバスなのかな。
 今日も1日お疲れ様でした。〓」

これが私のこの時の彼女に対する素直な気持ちだったと思います。

彼女にしてみれば

かなり、負担に思う内容だったのかもしれません。

この夜も彼女から返信はありませんでした。


妻の目を盗みながら何度も何度も携帯の着信を確認する私。

その夜は

彼女が私から本当に離れていくのではないかと不安な気持ちに呑みこまれて

しまい、

深い眠りにつくことができませんでした。

翌日3月29日の早朝6時。

彼女から着信がありました。
「おはようございます;
 昨日は年度代わりで忙しいからか、
 お客様の臨時の相談が多かったです。
 午前午後ともびっしりでした。
 昨日のイトウさんからのメール、結構重かったです。
 一日中、資産などに問題のあるお客様と話したあとだったから、
 嬉しいっていうより、
 そんなに私のことを考えないでって気持ちになりました。
 また意識してしまって、普通に話せなくなってしまうのが不安です。
 こんなメールを返したら、イトウさんを傷つけてしまいますね。
 (しびれが再燃したら私のせいです〓)
 私の気持ちが穏やかに凪いでいくと、
 イトウさんの気持ちは反対に波立ってしまうのかな。
 ちょうどよい距離を見つけるのって難しいです。」

朝からちょっとショックな内容のメールでした。

私が一方的に彼女のことを想い続けていることがわかりました。

彼女はそれほど私のことが好きでないのかもと・・・。

私からはしばらく彼女にメールしないでおこうと

思いました。


つづく。


私は出勤

彼女は休暇日。

1週間前に彼女からはっきりとこの関係を変えていきたいという

意思を確認し、

彼女からのメールはそう頻繁に来ないと思っていました。


終業時間をすぎ

いつものように残業をしていた私。

この日は店舗も忙しかったようで

彼女の部署はまだBさんが残って仕事をしており

丁度、Bさんに今日の店舗の状況を聞いていました。

ふと携帯をみると

彼女からの着信があり、ちょっと驚きました。

メールを開くと
「お疲れさまでした。:
 仕事してる日は一日あっという間ですが、 
 休みは休みで時間が過ぎるのが早いです。
 今日から春休みでしたが、子供の世話はたいしてせず、
 美容室や買い物など自分の用事を足していました(苦笑)
 お姉ちゃんは塾、下の子は友達のうちに遊びに行って、
 子供たちもそれぞれ好きなことをしてましたよ。
 私は適当な母なので、春休み中のお弁当作りは、
 子供を含めた4人の当番制になってます。
 (子供たちも冷凍食品を駆使して、お弁当4個を作るんですよ)
 昨日は通知票をもらってくる日だったのに、
 思い切り失認してたし…〓〓
 親がダメだと子供の方が自然にしっかりするので、
 結果的にはよいのかもしれませんが。
 二人のちょうどよい距離、いつかわかるようになる日まで、
 イトウさんは奥さんのことを守ってあげて欲しいです。
 いつもBちゃんと話しているけど、
 イトウさんの奥さんってえらいと思いますよ。
 私たちだったらイトウさんとは暮らせないよねって二人で笑ってる〓
 料理はできないし、
 シャワーには朝夕入らないと気がすまないし…
 人生を折り返した今ならともかく、
 若い頃からずーっと一緒にいてくれたことが素晴らしい。
 私も仕事と家族を大事にしていこうと思うから、
 イトウさんも奥さんを大切にしてくれたらいいな。
 今日は金曜日。
 1週間お疲れ~の打ち上げをして、酔っぱらいの私でした。
 ではまた明日。」

時計をみたら19時半でした。

もうお酒を飲んで少し酔っていたようです。

最近の彼女はあまり長いメールをくれないのに

しかも彼女からメールをくれるなんて珍しいことでした。

酔うと気持ちが解放されて

本心が表れてくるのでしょうか?

彼女は私に興味をもってくれていると思いました。

本当は頻繁にメールもしたかったのかもしれません。

私は彼女からのメールがうれしくて

Bさんと話を終えたあと

仕事を中断して

すぐに返信しました。
「Re;お疲れさまでした。:
 まだ職場です。Bさんも。
 最後の新規のお客様がかなり濃かったみたい。
 今、話し聞いてきたところ。Bさん、今Tちゃんに伝言書いてました。
 簡単メールですが連絡まで。またゆっくりメールします。〓」


するとすぐに彼女から着信がありました。
「うそー:
 イトウさんもBちゃんも、まだ職場にいるの?
 かわいそう〓
 どんなビッグゲストがきたんだろう。
 いつもBさんは詳しい伝言メモを残してくれるので、
 日曜早めに行って読むことにします。
 イトウさんが残業してくれてよかった。
 みんな帰っちゃうと結構寂しいので…〓
 Bちゃんのこと、よろしくお願いします。」



私、すぐに返信。
「Re;うそー:
 了解です(^^)」



この日は彼女の顔を見れませんでしたが

こうして頻繁にメールをするのは

本当に久しぶりのことで

とても幸せな気持ちで

満足感に満たされていました。


つづく。


翌日の朝

彼女からメールがありました。
「おはようございます:
 昨夜は、Bちゃんが貸してくれたマンガ(嵐が出る映画の原作・笑)を読んでて、
 夜更かしでした〓
 今日は小学校の終業式。
 給食がないので、お弁当4つ作ります〓
 昨日はていねいなメールありがとう。
 イトウさんが大事に思ってくれることは、正直とても嬉しいです。
 私がもう少し器用で、環境も違っていたら、
 もっと違う形で応えていけたのかなとも思っています。
 「ヤマアラシのジレンマ」って知っていますか?
 一緒にいたいのにお互いの針に傷ついて、また離れてしまう。
 確かそんな話。
 ネットか何かで見たんだったかな。
 近づいて離れてを繰り返して、
 一緒にいても相手を傷つけない距離を
 二匹は見つけることができるの。
 イトウさんと私も、
 いつかちょうどよい距離を見つけられたらいいですね。」

なんとなく彼女の深層心理がわかる

深い意味のあるメールでした。


そう・・・お互いに既婚の身。

お互いに抱える環境、家族がなければ

心に正直に・・・

進むことができるはずなのに

それができないのが現実。

お互いに家族のことはとても大切。

でも私は彼女のことも同じくらい大切な存在でした。

そんなことを想っている私は

最低な人間なのです。



その日は彼女にどのような内容で返信していいか答えが見つからず

返信することができませんでした。

その夜、

「ヤマアラシのジレンマ」の意味をネットで検索しながら

一晩いろいろと彼女のことを想っていました。


そして

翌朝の早朝に彼女に返信しました。
「おはよう(^^):
 Tちゃんおはよう〓。
 昨日は早朝から家族全員のお弁当作りお疲れさまでした。
 お子さん達しばらく春休みなのですね。
 弁当作り続くのですね。
 主婦と母と店員さんの両立に頭が下がります。
 ヤマアラシのジレンマ、ネット検索しました。
 Tちゃんと私の丁度良い距離。
 今はわからないけど、
 きっとTちゃんのこと、これからも大切に想い、
 今、自分がやらなけばならないことに(仕事など)一生懸命に
 応えて生きていけば、いつかきっと見えてくるのかな。
 昨日はTちゃんと鉢を運ぶことができ、とても嬉しかった。
 幸せな気持ちになりました〓。
 ニコニコしているTちゃんの笑顔が好き。
 でもどんなときのTちゃんも好き。
 今日はTちゃんお休みですね。
 お庭の春に向けての準備するのかな。
 お子さん達春休みだからあまりゆっくりできないのかな?
 ゆっくり休んでリフレッシュできますように〓。」

そして

彼女の居ない職場へ出勤しました。



つづく。

3月下旬の春分の日の連休明け。

彼女と私はお互いに出勤でした。

彼女のメールが来てから3日が経っていました。

仕事帰りに彼女からメールが来るかもしれないと

少しだけ期待していましたが

この夜は着信がありませんでした。

「そうだよな~・・・」と思い

先日の2人きりの出会いのときに

彼女からの本心を知って

私とのこのようなお付き合いの仕方を考えている彼女。

そう頻繁にメールは来ない。


そう思っていました。

その翌日の早朝、

彼女からの着信がありました。
「おはようございます:
 連休明けの昨日は電話が多く、
 新規のお客様がたくさんきて忙しい一日でした。
 おおげさな言い方ですが、
 まばたきしたらお昼、もう一度まばたきしたら夕方になってた感じ〓
 今日はどうかな。
 毎日何が起こるかわからないのが好きで、
 ずっと店舗窓口をやっています。
 ○道○○の写真、きれいに撮れていましたね。
 思わず受付のSさんにも声かけちゃった(笑)
 あんな風にいつもイトウさんと話せたらいいなと思いました。
 たまに二人きりで会ってどうしていいかわからなくなるより、
 みんなと一緒にワイワイ言いながら働きたいです。
 勝手な言い分でごめんなさい。
 それではまたあとでね。」

そう、

先週の連休前の週末金曜日夕方に

私の携帯に入っていた趣味の写真を

彼女の部署の他の女子社員に見せて

話題になり、

受付にいる女性社員にも見せることになり

大いにウケた出来事がありました。

彼女も含めて、みんなで笑いながら

私の○道○○の写真を観ていました。

とても楽しく和気あいあいとした出来事でした。


私は早速彼女に返信しようと思いましたが

急用があり

夕方にしっかりとした内容で返信しようと思い

簡単な返事で済ませました。
「おはよう:
 おはようTちゃん。今朝は滑りました。
 運動気をつけて来てね。
 またあとでゆっくりメールしますね〓」


そして、終業時間がすぎ

残業をしている手を止めて

彼女に返信することにしました。
「お疲れ様です:
 そろそろ終わるころかな?午後からは店舗落ち着いていたのかな?
 昨日は新規お客様が多かったみたいですね。
 しかも電話まで。店舗もう1人店員必要になってきましたね。
 でも以前にTちゃんから聞いていますが、
 いい人が来ればよいけど、ですよね。
 私が○道○○マニアであること、
 みんなにバレはじめているような。自分でバラしているしね。
 前の職場でもこんな感じでみんな知っていたので。
 悪い趣味?ではないと思うし〓。かなりオタクな趣味だけど〓。
 あんな風にみんなで楽しくお話しできると楽しいですね。
 Tちゃんも普通にしていられるし、気持ちも楽だものね。
 あんな感じで以前のように。
 でもTちゃんのことを想う気持ちは
 これからも大切にしていきたいと思う。」


つづく





彼女と一つになった夜。

その翌日、

お互いに出勤し夕方6時半すぎに彼女から着信がありました。
「すごい風:
 お疲れさまでした。
 今日はイトウさん早く終わったんですね。
 会社の休憩室で迎えを待っているところです。
 さすがにこの天気なので、今日は歩くのはやめました〓
 メールした方がいいのか、
 しないようにするべきなのか迷いましたが、
 メールがきた方が眠れるって言ってたから、
 お疲れさまメールです。
 明日はお休み。
 お互いゆっくり過ごしましょう。」

今日2回目の彼女からメール。

内容はどうであれ

私は嬉しく思いました。

メール内容も

そう悪いものでなく

彼女は私のことを少しでも想ってくれているという満足感に

満たされていました。


私、すぐに彼女に返信しました。 
「Re;すごい風:
 お疲れさま。すごい風ですね。
 駐車場まで何度か飛ばされそうになりました。
 Tちゃんバスかなと思い送りたいなーって思いながら帰ってきました。
 Tちゃんからメールきたら嬉しいです〓。ありがとう。
 昨日はカラオケ楽しかったね。
 実は今朝は寝不足と二日酔いでボーッとしてました。
 夕方は頭痛。でも今は大丈夫。
 Tちゃんからメールきて治りました。
 Tちゃんもお疲れでしょう。
 明日ゆっくり休んでくださいね。お疲れさまです〓」


明日はお互いに休暇日。

月曜日の祝日でした。

私は彼女の深層心理を考えながらの休日を過ごしました。

きっと彼女も

時々、私のことを想っていたのかもしれません。


つづく