https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200428/k10012408711000.html


学校9月開始についての議論が盛んになっているため、教育現場に携わるものとして考えてみようと思う。

 まず、内閣府による調査、「今後の大学教育の在り方に関する世論調査
〜大学の国際化〜」(平成13年7月)を参考に、そのメリット、デメリットを抜き出す。
(以下引用 https://survey.gov-online.go.jp/h13/h13-daigaku/index.html)

3. (4) 学校全体の秋季入学導入への賛否
 我が国の学校の入学時期について,原則4月から原則9月などの秋季へ変更することについての賛否を聞いたところ,「賛成」とする者の割合が37.2%(「賛成である」10.1%+「どちらかといえば賛成である」27.0%),「反対」とする者の割合が45.9%(「どちらかといえば反対である」31.1%+「反対である」14.9%)となっている。なお,「わからない」と答えた者の割合が16.9%となっている。
 都市規模別に見ると,「賛成」とする者の割合は大都市,中都市で,「反対」とする者の割合は町村で,それぞれ高くなっている。
 性別に見ると,「賛成」とする者の割合は男性で高くなっている。
 性・年齢別に見ると,「賛成」とする者の割合は男性の40歳代で高くなっている。(図15)
 職業別に見ると,「賛成」とする者の割合は管理・専門技術・事務職で高くなっている。(表15)
 また,20歳以上の者について,前回の調査結果と比較して見ると,「賛成」(27.1%→36.8%)とする者の割合が上昇し,「反対」(51.4%→45.9%)とする者の割合が低下している。(参考図,参考表)
ア 学校全体の秋季入学導入に賛成の理由
 「賛成」とする者(1,283人)にそのように考える理由を聞いたところ,「教育の国際化が推進できる」を挙げた者の割合が47.9%と最も高く,以下,「入学試験が夏休み中に行われ,面接や論文の活用等により,丁寧に行える」(28.3%),「夏休みの期間中,子供が地域社会の活動に参加しやすくなる」(28.1%),「夏休みの期間中,家庭において子供との触れ合いが充実する」(24.9%),「夏休みが学年末に来る方が合理的な学年暦になる」(22.6%)の順となっている。(図16)
 都市規模別に見ると,「夏休みの期間中,家庭において子供との触れ合いが充実する」を挙げた者の割合は町村で高くなっている。(表16)
 また,20歳以上の者について,前回の調査結果と比較して見ると,「入学試験が夏休み中に行われ,面接や論文の活用等により,丁寧に行える」(23.2%→28.1%)を挙げた者の割合が上昇し,「夏休みの期間中,家庭において子供との触れ合いが充実する」(34.2%→24.4%),「夏休みが学年末に来る方が合理的な学年暦になる」(26.0%→22.3%)を挙げた者の割合が低下している。(参考図,参考表)

イ 学校全体の秋季入学導入に反対の理由
 「反対」とする者(1,586人)にそのように考える理由を聞いたところ,「現行の制度で特に支障はない」を挙げた者の割合が60.5%と最も高く,以下,「社会・学校に大きな混乱を招く割にはあまりメリットがない」(35.4%),「桜の咲く頃に入学するのが日本人に合っている」(34.1%)などの順となっている。(図17)
 都市規模別に見ると,「桜の咲く頃に入学するのが日本人に合っている」を挙げた者の割合は町村で高くなっている。
 性別に見ると,「現行の制度で特に支障はない」を挙げた者の割合は男性で高くなっている。(表17)
 また,20歳以上の者について,前回の調査結果と比較して見ると,「現行の制度で特に支障はない」(75.6%→60.5%),「桜の咲く頃に入学するのが日本人に合っている」(42.7%→33.8%)を挙げた者の割合が低下し,「社会・学校に大きな混乱を招く割にはあまりメリットがない」(24.3%→34.9%)を挙げた者の割合が上昇している。(参考図,参考表)

(引用終わり)


9月入学のメリット
・「教育の国際化が推進できる」
・「入学試験が夏休み中に行われ,面接や論文の活用等により,丁寧に行える」
・「夏休みの期間中,子供が地域社会の活動に参加しやすくなる」
・「夏休みの期間中,家庭において子供との触れ合いが充実する」(24.9%)
・「夏休みが学年末に来る方が合理的な学年暦になる」
・「夏休みの期間中,家庭において子供との触れ合いが充実する」

9月入学のデメリット(反対理由)
・「現行の制度で特に支障はない」
・「社会・学校に大きな混乱を招く割にはあまりメリットがない」

・「桜の咲く頃に入学するのが日本人に合っている」


 次に、報道などの情報からメリット・デメリットを考える。


メリット
・コロナ自粛による4~8月の空白を埋められる
・海外の学校と入学時期が合うため、海外からの学生が増える

デメリット
・教育体制が整っていない
・企業の新採用の予定がずれる(9月採用になる)
・R2年度入学の子供の数が1.5倍になる
・海外の学校との入学時期が合うため、海外の学校へ日本の人材が流出する
・海外より1年周期で遅れる

 それぞれの項目について、詳しく考えていきたい。