おぼろな記憶によると「日本の王子」タミーノを追ふ蛇は、三人の女たちによつて三つに切り裂かれる。天照大御神の荒御魂としてのヤマタノヲロチと同様に。もしくは「虐殺された詩人」と同様に。
イザナギノミコトの冥界からの帰還ののちのタチバナノオトノアハギハラに於けるミソギハラヘは、「虐殺された詩人」といふ「舞ひ」とは何かのヒントになる。すなはち「太陽を産むこと」である。
つまり、「虐殺された詩人」といふ「舞ひ」の本質は、身体を一個の天体(太陽)として目覚めさせることである。
何日か前に、エロティシズムとは、死の似姿に自分の身体を襲はせることだ、と書いた。さうであるなら、それは「虐殺された詩人」の実現と同じことである。この虐殺により、身体のなかの「星」(太陽)が覚醒するか、さもなくば死か、それがエロティシズムの意味である。

