こんにちは。前回はエアコンにまつわる健康被害について紹介しました。
今回は、カビが原因で起こった病気の話を紹介します。本当にあった話です
福岡県に住む5歳の女の子 3月下旬から咳が出ていましたが、4月中旬に38℃発熱 レントゲンを撮影し、肺炎と診断され入院となりました。
抗生剤治療が始まって2日目には熱が下がり、咳も徐々に改善 入院7日目に退院となりました
しかーしなんと退院したその日から、また咳が出始めたんです そして症状はどんどん悪化。残念ながら再入院となりました
しかも、最初の入院時よりも肺炎の症状は悪化… なので、より強力なステロイド治療が開始となってしまいましたが、またしても症状はすぐに改善
詳しく原因を調べたところ、女の子にカビの一種であるトリコスポロンの抗体があることがわかったため、夏型過敏性肺炎と診断されました(詳しくは前回の投稿参照してね)
となると、原因は住環境にある そこで自宅を調べたところ、カビの生えた加湿器が原因であったことが判明
この加湿器を処分したところ、女の子の症状はピタッと治まりました
この加湿器、女の子の咳が出始める3か月前から毎日使用していたそうです。掃除は一度もされておらず、水を継ぎ足しながら使用していました。
↓実際の加湿器タンク内の画像です
加湿器の中でトリコスポロンがどんどん発生していたんですね。恐ろしいですね。
エアコンの内部も加湿器の内部も、カビが発生しやすい場所であることは変わりありません。
この女の子の場合は、2回目の入院ですぐに原因がはっきりしたけど、症状によってはいつまでも風邪薬を処方して様子をみられてしまうこともあり得ます。
無駄に薬を飲むより、原因を除去することが先手です。
エアコンや加湿器の電源を入れると体調不良となる場合は、内部を確認することをお勧めします。
参考文献:福島県で春期に発症し、加湿器が原因と考えられた夏型過敏性肺炎の5歳女児例,岡部永生ほか,
アレルギー69(3),204-208,2020