「別れて欲しい」
日本と海外で遠距離恋愛をしていた私にとっては想像も付かない衝撃だった。
確かに少し連絡がなかったので、気にはかけていた頃だった。
それでも海外にいるだけに、彼の顔色だって、日常だってわからない。
この時ほど遠距離を恨んだ瞬間は無かった。
「距離に負けたくない」
それだけを心に決め頑張ってきてはずなのに・・・。
私は大きく泣き崩れた。それからどれくらい泣き続けたのだろう?
これから悪夢のような日々が待っているに違いない。
別れた事より、これから一人で過ごしていくこれからが怖かった。
それでも日常はせつな的にやってくる。
会社にもいかなくちゃならない。
お友達にもあわなきゃならない。
食事もしなくちゃならない。
やる事全てが、今この瞬間さえもが悪夢だった。
ねえ、もうダメ?もうやり直せないの?
そんな叫びも聞こえない。届かない。
簡単に別れる事のできる距離にいる彼が羨ましかった。
振る方も、振られる方も同じくらい辛いものだと思ってはいたけど、
今回は違う。 追ってこられない距離にいる彼が憎かった。