桜の園 観劇 | ジュニのマイペースdiary♡

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大好きな観劇(宝塚&ミュージカル)の事をマイペースに綴っています(*'▽'*)


世田谷パブリックシアターへ『桜の園』を観劇してきました音譜



初めての世田谷パブリックシアター。

2階席でしたが、舞台が近くて視界良好で観やすかったです照れ


この『桜の園』。

原作を読んだ時は何が面白いのか私には理解出来かったし、そもそも喜劇とは思えなかったのですよね。チェーホフは難しいなぁ😓って思ってしまったのですが、、。

舞台を観たら、笑える場面が沢山あり肩の力を抜いて楽しむことが出来ました。観終わった後に余韻に浸っている自分にびっくり笑。

KERAさんの演出によるものなのか、出演者の力量なのか分かりませんが、お芝居を堪能出来ました。


今回の舞台。

はじめは、KERAさんのオリジナル作品の予定だったのが、間に合わなかったのでコロナ禍で中止になってしまった『桜の園』を上演する事になったのですよね。→ご本人がXで仰っていました。


桜の園を上演する為に集められたキャストではないので、大原櫻子さん以外年齢層が高くて、若い設定なのに何故この役者さんが??と思う役があって、違和感がありました。

でも、実際に舞台を観たらベテランの役者さんが演じるからこそ、役に味わいや切なさを感じて良かったな、と思いました。




配役で意外だったのが、ロパーヒン役の荒川良々さん。


パンフレットにも書いてあったのですが、この作品の登場人物はどこかネジがおかしい人ばかり。

屋敷の財政事情は火の車で、桜の園が競売にかけられるのに、皆、何もしようとしない。


ロパーヒンは、地に足が付いていて努力を重ねてきた人。ロパーヒンだけが、女主人ラネーフスカヤに真っ当なアドバイスをし続けます。唯一、真っ当な人間を、個性的な役者の荒川良々さんが演じるという面白さ。

とても新鮮だったのですが、なかなかハマっていました。




それから、トロフィーモフ役の井上芳雄さん。

井上君のストレートプレイを観るのは多分初めてなので、歌唱力という武器を捨ててお芝居だけってどうなのだろう??って興味深々でした。

個性的な鬘をつけて笑、伸び伸びと演じていた様に感じました。ミュージカルだと、今やミュージカルという看板を背負って舞台に立っていたのだな、と実感。こんなに楽しそうにお芝居をする井上君を見るのは久々かも。



一番印象に残ったのは、老従業のフィールス役の浅野和之さん。原作では87歳。ずっと召使いとして生きてきて、主従関係は一生変わらないと教育されてきた為に、現実がわからなくなってもご主人の心配をしているフィールス。浅野さんの演技は名使いとしての生き様を感じ、ラストシーンはジーンときました。



そして。

天海祐希さんのラネーフスカヤ。

原作を読んだ時に、何も出来ない、何もしようとしないラネーフスカヤ役を天海さんが演じる事にピンと来なかった。

なので、この役を天海さんがどう演じているのか気になって感想を読み漁って見たものの、美しかったとか、お衣装が似合って素敵だったとか、外見の感想ばかり。

登場した時のオーラが凄かったとか、『もうそれは知ってるから‼︎』『演技の感想を聞かせて‼︎』って思っていました。


で、実際舞台を観て一番に感じたのはやはり、、。美しい✨でした😅

でも、私が美しいと感じたのは外見だけではなくて、中身の品格のこと。

没落貴族と言えども、貴族として育ってきたラネーフスカヤ。姿勢、佇まい、仕草一つ一つに高貴な生まれだという事が伝わりました。

衣装も、天海さんのプロポーションに合わせて作られたので、似合うのは当たり前なのですが、普段着の様に着こなしているのが素晴らしいと思いましたキラキラ


見た目が美しいとか、長い手足が舞台映えするとかは、本人の努力で得たものでは無いので、特に凄いとは思えないけれど、、。

衣装の着こなしや貴婦人の様な身のこなしは努力の賜物だと思うし、品格は立派な才能だと思います。

原作のイメージとは違うけれど、天海さんのイノセントな魅力が役に反映されていたと思います。


原作から感じた愚かな人間臭さはあまり感じなかったのですが、純粋な魅力を感じました。

純粋に優しい人。自分にお金がないのに困っている人を見たら、無条件にお金をあげてしまう。

裏切られた愛人が、病気で苦しんでいるからまた助けようとしてしまう。


桜の園が競売にかけられてしまうのに、何も行動しようとしないのは、貴族として育った為に、周りが全てやってくれて、自分で考えるという習慣がなかったからなのだなぁと、変な説得力がありました。「しょうがないじゃない、私わからないから」と天海ラネーフスカヤに言われたら、納得するしかない笑


それ故に、桜の園が他の人のものになったと知った瞬間の絶叫は胸に迫るものがありました。

その後の天海さんの表情が何とも言えず美しかった。涙が頬を伝い、瞳には美しかった桜の園が映っている様に感じました。


桜の園を去る時の、天海さんの表情も。

このお屋敷で育ってきた事、今は亡きお母様の思い出が瞳の中に見える様で、切なくなりましたぐすん (原作を読んだ時は自業自得だよ‼︎って思ったのですがてへぺろ


この作品を観て、これほど心が動くとは正直思いませんでした。


やっぱり天海さんの演技は好きだなぁと実感しました乙女のトキメキ


なので、次回は天海さんの当てがきが見たいです。

KERAさんが書こうとしていたオリジナル作品。

首を長くして待ってます‼︎‼︎‼︎