
地震が起こった時、私は帝劇で『レ・ミゼラブル』を観劇していました。
一幕終盤に差し掛かり、エポニーヌの叫び声を聞いて、ヴァルジャンが飛び出して来たシーン。
コゼットが、
『三人の影が~走っていったわ~♪』
と歌っているあたりからユラユラし始めました。
最初はめまいかと思ったら、揺れが大きくなり客席も『地震??』とザワザワ。
私はいえばとっさに、『花組の皆は大丈夫かな??』『あっでも休演日だった

と、思ってしまった。←レミゼを観てるのに不謹慎ですよね(;^_^A
観客がこんな状態なのに。
舞台上の俳優さん達は何事もないように舞台を続けていて、オーケストラも演奏を続け、照明さんは照明を当て続けて、プロ意識の高さに感動しました

ワン・デイ・モアが始まる頃には揺れがおさまり、これでやっと集中して観れる、とホッとしたのも束の間。
マリウス、コゼット、エポニーヌが三人で歌っている場面でいきなりオケが止まり、俳優さん達も舞台袖へとはけてしまいました。
そのまま、15分間の休憩、、、、。
『えっ??このタイミングで止めちゃうの??』
『もう少しで一幕終わるじゃんっ。
新演出のワンデイモアは盆も回らないし、何も止めなくてもいいんじゃない??』
なんて、思ってしまいました。
休憩が終わって舞台が再開される時に、東宝の方(ですよね??)が舞台に立ち、地震の状況と舞台が中断したお詫びを丁寧にして下さいました。
中断してしまうのは申し訳ないけど、舞台の安全が一番という事を仰っていました。
そうですよね。
3月に帝劇で事故があり、『舞台は危険と隣り合わせ』と思ったばかりなのに。
ワンデイモアが始まってもうすぐ一幕終わるのに、何故このタイミングで中止するの?? 等と思ってしまって申し訳ないです

いくら揺れがおさまったとはいえ、セットが倒れてくるかも知れないし、安全を確認しないと続けられないですよね~。
舞台人は、『舞台の上で死ねたら本望』と仰っている方もいる位、舞台に全てをかけているんですよね。
たとえ地震が起きようと舞台に立ち続ける、という事が良く分かりました。
それは役者さんだけではなく、全てのスタッフさん達が、地震に動じる事なく職務を続けていました。
彼らは、舞台を中止するという指示がない限りは続けてしまうんですよね。
なので、もうすぐ一幕が終わるという状況で強行突破したら続けられたかも知れないのに、中止するという劇場側の勇気ある決断に拍手を送りたいです。
舞台は、ワンデイモアから少し遡って再開してくれました

私は個人的に、ワンデイモアのマリウス、コゼット、エポニーヌの三人が歌うシーンが大好きなので、このシーンを二度も観れて得した気分になりました


あっという間に一幕が終わり、また20分休憩

そして、無事に二幕は終わりました

カーテンコールで、主役の福井さんが代表して、舞台が中断した事のお詫びのご挨拶がありました。
そんなの自然災害で役者さんのせいじゃないのに、、、。
最後には、
『舞台が最後まで続けられたのは、皆様のお陰です』
とまで、仰っていて下さいました。
更に、
『まだ余震が続くかも知れないので、お気をつけてお帰りください』
と、気遣ってくれて、感動しました

地震というアクシデントがありましたが、劇場側の適切な対応、俳優さんの心のこもった挨拶に、ホッコリとした気持ちになりました



観客も暖かくて、一幕が無事に終了した時には拍手が鳴り止まなかったんです!!
鳥肌が立ってしまいました。
素敵な空間だなぁ、生の舞台っていいなぁと思いました
