こうなるのはもちろん予想していたことなんです。

お隣のすご腕主婦kさんが私に懇願するように、「台所に入って来るのよ」と言う。

その一言で私は全てを察して謝った。

私も、たった二人世帯であるが一瞬の油断でせっかく作ったおかずを台無しにされたことが何回も有ったから。しかし私には出来上がったおかず皿を隠すことができた。

kさんの場合は週末に娘夫婦や孫が必ず集まってくる、高齢のkさんを労りに、でないのは明らかだがその件を書くつもりは毛頭ない。

週末が来る度にkさんは7~8人、ときには10人もの親族の世話を一身でしなければならないのです。

食事から寝床の準備から、一切がkさんの負荷になっているのです。

私が知る限りずっとそうです、良く体が(心も)持つものだと思い続けている。

草一本無い丹精込めた畑から採ってきた野菜を主体に、出来上がった多くのおかず皿を進入してきた猫から守りきることなどできるはずがありません。

「私がドアを閉め忘れてしまうのがダメなのよね」

そんなことは無いですよ、アイツの侵入を阻止することなど出来ません。

私がアイツを放し飼いにしているのが悪いことは明らかです。

ずらりと並べられた水入りペットボトルも効果は無く、今度は猫侵入防止シートを敷いてみようかしらと言う。

それは無駄な努力だと分かっている、kさんも私も。

しかし私にも事情が有ったということは懇意にしてるkさんに解って欲しい。

ひとりぼっちになったアイツが気色悪い声で鳴き続け、一緒に居られる状態では無かったことを。

それは多分に私の手前勝手な事情であるが、kさんだからすべてを話した。

ショコを我が家に迎え入れてから現在に至るまでの履歴と固有特性(kさんは最初ムジナだと思ったと言う)、今後も数年間は生きているだろうことを正直に話した。

kさんは理解してくれた。

でもこれ以上の迷惑は掛けられない。

その夜からショコを又部屋猫に戻し閉じ込めた。

幸い私が耐えられず気が狂いそうになるような気色の悪い鳴き声は余り発しないようになっていた。

相変わらず可愛げは無く気持ち悪い猫だが、近隣にかけている迷惑に比べればたいしたことではなく私が我慢すべきことだ。

野放しにしたことによってショコの精神も何らかの変化は有ったのだろう?

そんな訳で又睨み合って暮らしているのですよ、ショコと私は。トホホ×2