今やらないと大変なことになる。

と、私は行動を起こすことにしました。

 

この魔女の棲家のようなyさん(普通のご夫婦です)の家の敷地からうちの田んぼに越境してきて獣除けの電気柵に障害を与えているイバラの木のことで。

この植物は「ナニワイバラ」といって、大阪の商人が中国から持ち帰ったものらしく、成長力が非常に高く、鋭いトゲの有る枝が数メートルも伸びる、管理を怠ると非常に厄介な植物です中国原産だから(ピッ)。

去年田んぼ側から電気柵に覆い被さっている枝のみを剪定しただけで手は傷だらけになってしまいました。

トゲの先端が折れて皮膚の中に残るという、電気柵より獣除けに効果が有りそうな天然の有刺鉄線なのです。

今年も、来年も、それ以降もずっと、同じことをやらなければならないのでは堪りません。

皮膚の中に残ったトゲが永久にチクチク痛む様を私の脳は描き出しています。

そこでyさんに事情を話して「根本からバッサリ切らせてくれ」と言いました。

本来敷地所有者のyさんが越境している植物については管理すべきなのですから、私の提案はyさんにとって助け舟であるはずです。

高齢で自分では切れないだろうことは十分窺い知れるし、yさんにとって"誰かが助けてくれる"ということを知っていただくきっかけになれば幸いだと考えました。

でも植物好きなyさん夫婦ですから「全部は切らないでほしい」と言われると少々困るとは思っていました。

すると「イバラが巻きついている柿の木も切って下さい」と、お願いされてしまいました。

仕事量は増えますが柿の木を残して巻きついているイバラだけを切り取るより楽かも知れません。

しかしこの「楽かも知れない」というのは元になっている困難な作業に対しての相対的比較論であって、決して楽なことでは有りません。

頭の中で作業をシミュレーションをしてみると・・・とても私一人で出来るものでは有りません。

そこで電気柵を共有する6枚の田んぼの所有者のうち動ける男2人に声をかけて手伝ってもらうことにしました。

あらためて現場確認するとイバラの木は電線を包み込んでいるではありませんか。

 

イバラの枝の茂みの内部を電線が通っているのです。

元々電線は空中に離れて有ったがイバラが成長してきて電線を飲み込んだのです。

すでに電線にはイバラの重みがかかっているようで、下方に垂れている様子です。

根元を一気に切ったり無理に引っ張ったりすると、最悪切れる・・・電線が。

それだけは絶対避けなければなりません。

この電線は此処より先の全ての家のTVとネット回線用の光ファイバーケーブルなのです。

 

枝には凶悪なトゲがいっぱい生えています。

その枝が数メートルも伸びて電線に絡みついてこんがらがっているのです。

これを一本一本切って慎重に取り除く作業は困難を極めます。

これは私達の田んぼに降りかかっている問題ではありますが、電線の方にも公共性のより高い問題が起こっていると捉えるべきでしょう。

私達はその作業の困難さとリスクの高さに怖じ気づいてしまったのです。

ここはケーブルの敷設者であるケーブルテレビ局に連絡をして相談すべきでしょう。

あわよくばケーブル局の方でイバラを切ってくれるかも知れません。

局に連絡するとgoogle mapのストリートビューで現場を確認しているようでした。

局の担当者は「電線に触っている枝はこちらで切ります」と言ってきた、よしよし、しかし私は根元からバッサリ切ってしまいたいのです、又成長してきたら困りますから。

しかしケーブル局は自身に関係する範囲しか対応はできないようです。

ならばケーブル局の作業が終わった後、電線への干渉が無くなり枝が少なくなったところを根元から切り倒すことにした。

しかしですね、「電線に触っている枝」というとほとんどの枝になりそうなんですよね、風で揺れたりすることを考えると。

すると私達は残った丸太ん棒のような幹を切るだけの作業になりそうなんですよね、ハハハ、こりゃ楽だ。

ケーブル局担当者がストリートビューで見たのは数年前の様子であって現在の状況で無いことが明白なので、「その画像の当時より少々木は生長していますのでそのつもりで」と、親切な私は教えてやったのです。

でも少々では無かったことは現地に来て知ることになるだろうことは私の胸の中に仕舞っておきました、わしゃ知らんでね。

気の毒です~。