どうもまずい展開になってきた。

「うるさくて邪魔」だとは、

それは多分に個人の主観によるものだ。

社会的に利害関係に有るものでは無く個人の感情によるものだ。

一笑に付しておけば良いのだろうが、解決策があるのならより良いだろう。

同じ町民同士でいがみ合う関係にはしたくない。

ジムが手狭になってきたという事実も関係してあるだろう。

それはすなわち利用者が多くなったということなのだが。

町民の多くが健康意識に自ら目覚めたのか、利用者からの口伝えで広がってきたからなのか、ジムの利用者が増えているのは役場の持っているデーターで明らかになっている。

限りある容量では消化出来る能力も限られる。

狭い環境に押し込められた人間がおおらかな気持ちでいられるはずは無い。

私達はあらためてジムの部屋を見直した。

すると一角に使われていない部屋がある。

間仕切りのアクリルガラスにはカーテンが掛けられ中は伺えない。

 

その部屋の間仕切り壁を壊して面積を増やせば、とりあえず手狭感は解消するのではないか?

私はその案に賛成した。

この部屋を取り壊すのは簡単で何ら支障も無いことは分かっていた・・・物理的には。

しかし、後からとってつけたようなこの部屋の不自然な匂いの訳を後に知ることになるのです。

このときO女史は懇意な町の議員に手狭なジムの現状と問題点を説き、議会に上げてくれるようお願いしていた。

議員は即刻町議会でその問題を取り上げてくれ、今後のジムのあり方について町に質問してくれた。

そのとき議員は私達が発案した、使われていない部屋を無くして面積を増やすことについても町の見解を求めた。

町はこう答えた。

「利用者が増えているのは事実であるが、手狭だから面積を広げて欲しいという要望は今まで一度も受けていない」

その議会中継を観ていた私は即刻町にメールで要望書を送付した。

続く。