事件、と言えるようなことではないのですが。
巻き込まれているので説明をしておかないといけないでしょう。
先に書いたように私はこの町営ジムが高校生以下をシャットアウトしているところが気に入ったのです。
年端の行かない少年達がワイワイガヤガヤ騒いでいるような場所だったらすぐに行かなくなったでしょう。
その気持ちは大なり小なり利用者みんなが持っていると思っています。
ジムは町民の健康維持のための施設であるとともに、常識ある大人の社交場だと思うのです。
私はジム利用者の中に居る、特に健康指向の高い人達のコミュニティに誘われて(もちろん自分がその必要性を感じて)参加しているのですが、そのコミュニティを良しとしない人(達?)も居るようなのです。
その人(達?)にとっては私たちが目障り・耳障りで、迷惑らしいのです。
分からぬことでは無いんです。
女性の多いその健康志向高コミュニティは、まあ、いわば・・・姦しい。
又、多人数での床運動は限られたスペースを占領してしまう(多いときには10人近くになる)。ジムの空間構成は20台足らずの筋トレマシンと寝そべると4人が限界のマットが敷かれた床運動エリアとなっている。
健康志向高コミュニティのメンバーは各々が筋トレマシンで体を鍛えた後、決まった時間割で1時間ほど同一メニューの床運動(ストレッチ)を行っている。それを週3回3年ほど続けていた。メンバーは随時入れ替わっていくが指導的な人が固定して存在していた。
共有する空間でストイックに筋トレをしていたい人には好ましからぬことなのでしょう。
集団行動をすることはそれだけで周囲に一種の圧力を感じさせてしまうものです。
私が少年達がワイワイガヤガヤやっていたら嫌だと考えたように。
その人(達?)は自身がジムの利用をやめてしまうことはせず、コミュニティを排除しようと動きました、それに正義が有ると考えてのことでしょう。
ジムの管轄部署である町役場の生涯学習課(何故不似合いな名称の課が担当するのかは「星見町ものがたり」の方に書いています)に、そのコミュニティを排除するよう働きかけたのです。
その要望・苦情を役場はどう受け止めたのか?
ジムから出て行くようにとコミュニティの人達に促してきた。
コミュニティのメンバーと担当課長との話し合いが行われ、役場は別の運動場所の提供を申し入れてきた。要はジムから「出ていってくれ」ということだ。
対してメンバーの中では統一意見はまとまらず、双方の協議は継続保留することとなった。
そのようなことが起こっていた丁度その頃、私はそのコミュニティの存在を知り、事件の話を聞き、行政は横暴だよと思ったのです。
相対するジム利用者同士で話し合い、価値観の調和を図った解決が好ましいと思うのですが、
行政側はもちろん誰から苦情を受けたとか、個人情報は教えてくれない。
町民の誰でもが享受できるはずのジムの利用を、行政がある一方の町民意見でもう一方を排除しようとすることは、配慮不足も甚だしく権利の剥奪で横暴な決定ではないでしょうか。
私は最初「誰から出て行くように言われたのか?」聞くとジム管理人だと言うので、単なる個人の先走りなのかと思ったのですが、良く聞くと役場(行政)の決定であるとのことだったのです。
小さなトラブルなのかも知れませんが、町民を行政処分しようとするのなら大きな事件です。
それで「いったい何事が行われているの?」となったのです。
この事件を参考に勝手に書いたのが「小さなジムの波紋」に始まり「星見町ものがたり」につながるフィクション小説なんです。
続く。