1秒ほどだと思うがもっと短いかもしれない。ハッとして目が覚める。

私の睡眠時間である、いや、居眠り、いや、瞬眠というのが正しい。

生体が本当に必要とする睡眠とは違い、特に必要では無いものだと思っている。

睡眠に入ろうとする生体の要求と、それを阻止しようとする意識が拮抗していて、折り合いがつくのが約1秒の瞬眠なのだろう。

その1秒間意識をなくした私の生体が引き起こすことは原発が起こす取り返しのつかない事に似ている。

×:意識を取り戻したとき私の車はすでにガードレールを擦りながら走っていた。

×:人差し指と中指に挟んでいたはずの火が点いたタバコの触感が無くなっていた。

▲:名作劇場の最も感動的瞬間がすでに過去へ流れてしまっていた。

▲:1秒前には浮かんでいたアイデアが行方不明になっていた。

このようにたった1秒間の瞬眠が私に与えるダメージはとても大きい。

これはおそらく、、、気の緩みだろう、、、慢性的な。

気を引き締めれば直るのだろうが、それが出来ないから繰り返している。

病気の域なのかも知れない生活習慣上の。

無難に過ごすにはなるべく行動を起こさないのが良いのだろうが、それもつまらなくて出来かねる。

そのうち取り返しのできないことをやらかすかもしれない。

しかし、そのことが結構緊張感をもたらしてくれる。

気は緩んでいるのに適度な緊張感も有る。

生体が要求してくる眠気は実在するが、精神はそれを許さないぞと緊張している。

その結果1秒間の危険な意識喪失は頻繁に発生してくる。

そう思っているが、たぶん真剣に生きていないのが本当のところだろう。

私はぬるい生活ぶりだから。