このテーマで書くことに戸惑っています。

私は誰も傷つけたいとは思っていません。

まして亡くなった妻と同じような難病に苦しむ人達に対してはなおさらです。

妻がショートステイに行っていた先にALS患者の利用者さんがおられました。

電動車椅子に乗っていて妻とは歳も同じくらいでとても気が合い、一緒になるよう示し合わせて同じ期間に利用していました。

ここで少し介護施設の実情を書くと、ショートステイというサービスは運営者にとって利益が出にくいらしく、そのサービスから撤退してしまう場合も多いそうです、そこで業界では”ロング”と言われる2~3週間のショートステイになってきて本来の役割から乖離してしまっているようです。

其処の職員さんが「この方は○○子(妻)さんよりもっと大変な病気なんですよ」そう言うんですよ。

私には妻とまったく同じ症状に見えました。

 今から10年くらい前でしょうか「アイスバケツチャレンジ」というチャリティーが世界中に広まったことがありました。今も続いているのかも知れません。

難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)について世間にもっと知って貰い、治療薬開発などの資金を集めようと、ソーシャルメディアの波に乗って大ブレーク、当時のオバマ大統領など著名人も巻き込まれた一大キャンペーンが繰り返されていました。

 

 

その影響だったんだと思います。

私には妻とまったく同じに見えたその方は施設内で”特別な存在”になっていたのです。

あの方が妻のゴーストライターで無いことははっきり分かっています。

手指が動きかねる状態で、車椅子の操作をよく間違って壁に激突していましたから。

社会の中では全ての人が公平に同じような待遇が得られるとは限りません。

もし現在、大谷翔平さんが多系統萎縮症(にかかわらず特定の疾患)の人を助けようと運動したら・・・

治療薬が早く出来る、とは思いませんが、世間の人に広く理解を得られることになるかもしれません。

そのような、一種の格差と言えるものが有り得てよいのかどうか、私には分かりません。

妻がそのような考察をしていたかどうかも、今となっては知る由もありません。