山師と聞いてどう思いますか。

一般に良いイメージではありませんね。

そんな山師とは少し意味合いが違う山師さんのこと。

この村には人格も含めて立派な山師がたくさん居ます。

60代70代、中には80代の方もおられます。

山林での仕事を生業とするプロフェッショナルです。

代々引き継いできた家業である場合が多いようです。

若い人も希ではありますが技術の継承が途絶えないくらいは居ます。

山師さんは度胸と身の軽さが売りです。

山林の維持に必要な間伐・枝打ち・下層植生の刈り取りなどの仕事をします。

とても危険な仕事です。

チェンソーを腰にぶら下げて木に登っていき空中で作業するのです。

中には木から木に飛び移る猿も顔負けの人も居るそうです。

高い日当が得られる職人仕事であり彼らはそれを誇りにしています。

競争原理は作用しないらしく安定した地位が約束されています。

2時間かけて山を登っていき、作業現場に着いて1時間の休憩をし、2時間だけ働いて又2時間かけて山を下りてくる。

朝は早いですが日の高いうちに帰ってきますから農作業するもよし早めに一杯やるもよしの毎日です。

それで充分彼らの労働意欲は満たされ、雇い主の苦虫をかみつぶしたような顔は気にならないそうです。

「何もやましいことはない」と、

そのへんに山師の山師たるDNAは継承されているのでしょう。

いつもの時間に山から下りてこないときは多くの場合自己責任でお亡くなりになっています。

そんな働き方に”あこがれて”真似をしようとしても、おいそれとは山師の神髄に迫ることは出来ないそうです。

長い伝統と経験の成せる仕事のようです。

現在の山師は林業の要員というよりは環境保護・生態系の維持・災害防止といった意味合いのほうが重要視されてきており、山師は数を減らしながらも社会的な役目を持った重要な仕事であると認識されています。

あなたも山師になって地球を守りませんか?

日本において自然の植生に手を入れず放置しておくと最終形態はどうなっていくか?

ある学者に聞いた話では杉の大木の森に落ち着いていくそうです。

有名な屋久杉とか神宮の森など超長寿命の杉を見るとそれは本当かも?と思えてくる。

すると山師さんは自然のお手伝いをしている人なんだな。

というか、人の営みというのは自然の営みのうちなのでしょう。

何もやましいことなど無い。