フジの花が綺麗だ。
去年は何故か咲かなかったフジが今年は一斉に咲き出して今が盛りだ。
蔓性植物のフジにはつるが右巻の「フジ」と左巻の「ヤマフジ」の2種が有るそうだ。
近所のフジを見て回ったら左巻だったのでこの辺のフジは「ヤマフジ」。
巻き方の定義として、
つるが下から上に向かって、反時計回りに生長していく → 左巻き。
つるが下から上に向かって、時計回りに生長していく → 右巻き。
とするそうだ。
この定義をしっかり覚えておかないとややこしくなる。
たとえば蚊取り線香を見て右巻きか左巻いきかはどちらとも言えない、中心から外周へ向かう場合と外周から中心へ向かう場合とでは反対になる。
台風や渦潮の巻き方向は上空からの見た目は同じでも風や潮の流れの方向で異なったものになる。
朝顔が左巻きから右巻きに変わったのもその辺の事情である、・・・本当に変わった訳ではない。教科書の記述が変わっただけ。
子供達は「朝顔は右巻き」と知っていても、実際それがどのような巻き方なのか知っているかは怪しい。
同じようなことが河川の右岸・左岸やヒラメとカレイの見分け方などにも見られる。
「ヒダリカレイニミギビラメ」と覚えていても、アレッ、頭から見るの?尻尾から見るの?となる。
「右岸って川上に向かって右なの?川下に向かって右なの?」
「右岸に大きなヒラメの看板が有ります」と聞いたが、たどり着くのが怪しくなる。
右でも左でも本質の違いは無くどっちでも良いことだから曖昧になる。
曖昧さの許されない自然界ではフジの巻き方のように延々とその性質は維持されてきた。
今年は梅も桜も例年より早かったがフジもずいぶん早く咲き出した。
温暖化で開花時期は早くなったが左巻が右巻になるようなことはない。
ところで、
フジのつるは巻きつく他の木が有るところでは遺伝子が伝える巻き方向で巻きつくが、他に木の無い空中ではつるは真っ直ぐに伸びている。
そうすると、フジのつるはある種の触感や視覚を有しているのだろうか、もしそうだとすると、
何も無い平地にフジを育ててみたら放射状に真っ直ぐ伸びるフジのつるが見られるかも知れない。
湖水の青に新緑と淡紫が混じる
濃い紫は「ヤマフジ」

