一切の殺生をせずに生きられたらどんなに素晴らしいことかと思う。

残念だがそんな仏様のような生き方が出来る人はいない。

人は自分が生きていくために他の生き物を殺し続けていかなければならない。

知らぬ間に、あるいは殺意を持って、人は生き物を、時には人をも殺してしまう。

動物も同じだろう。

自分が生き延びるには他の命を奪い続ける他にない。

メダカが増えすぎて、どうしたものかと思案している。

過保護に稚魚水槽を設けたものだから絶滅危惧種から一気に異常繁殖種へと昇華してしまった。

一つの水槽で飼えば親は自分の子供を食べてしまう。

奇跡的に生き延びるのが自然界の掟なのだろうが稚魚一匹に情が移ってしまう。

憎しみを持って殺す、という行動は人間だけだと思いたいところだが違うらしい。

カラスや猿が仲間を殺した相手に取る行動は憎しみを持っているとしか思えない。

それは上等な生物感情であり、無感情に殺りくを繰り返している人間はカラスや猿に及ばない。

Mさんが猿を撃つのをためらうのは神に背く行為だと解っているからだろう。

猿は退いていった。

隙の無い罠に掛かって痛い思いをするような猿君達ではなかった。

そういう意味では私より一枚上手であったようだ。

 

過保護に育ったトウモロコシだが”甘く”はない。

 

 

 

 

 

 

花器                       銘:円満

Kenichi Museum