今日は集落の浅間神社祭。

富士山を御神体とする山岳信仰が何故この集落に根付いたのかは誰も知らない。

豊穣の神だとか家内安全の神だとか諸説都合良く捉えられている。

例によって集落の男衆が前山の山頂に集まり御神酒を飲んで下ネタ話をするのが習わしになっている。

竹竿に幣を挟んで麓から見えるように立て上げるのだが、現在は周りの木が高く伸びて里からは見えない。

その幣を結ぶヒモに本来は大麻草の茎を使うらしいが、大麻草栽培を当局が許可しないので今は市販の麻ヒモを使う。

大麻草については神宮(伊勢神宮)でも一悶着あったそうで特別に許可が出たとか出なかったとか、酒が回ったからどうでも良い。

ふと見ると、

皆さん長靴を履いている。

長雨で長靴が身に付いてしまったのか?いや違う。

ヒルに備えた防備だ。

中には長靴の隙間をガムテープで塞いでいる人も居る。

今の季節、山に入るときはヒル対策をするという鉄則を忘れていた。

短靴で登って来てしまった私は何となく足下がムズムズしてくる。

猿との戦闘態勢に入っている私はもう一つの強敵を忘れてしまっていた。

家に帰って裸になり確認すると、やはり一匹丸々太ったやつがくっついていた。

ヒルに血を吸われたところがかゆくなる場合とならない場合があって、

これも諸説あるのだが、

ヒルは血を吸うときに血が固まらないように何らかの成分を出すのは事実らしい。

確かに吸われた場所からいつまでも血が垂れてくるのを経験している。

ある人によるとこの成分がかゆみの元ではないかという。

血を吸い終わるとヒルはその成分も最後に吸い取って回収しポロリと落ちるんだという。

途中で見つかって肌から引き離された場合はその成分を吸い取る間が無い。

よってヒルを見つけて取った所はかゆく、知らぬ間に血を吸われた所はかゆくない。

そうするとヒルは人間に気付かれなかった場合は何事も無かったような良い仕事をして、

人間に気付かれて邪魔が入ると不細工な仕事になってしまうという訳だ。

なるほどそうに違いない。

今まで知らぬままに血を吸われていたのだろう。

今後はヒルを見つけても吸い終わるまで待って・・・出来ない!

 

 

 

 

 

大皿                      銘:

Kenichi Museum