先日久しぶりに朝のウォーキングをしていると、
前方から金色の(本当に金ピカなのだ)軽トラとすれ違った。
小学校の同級生のS君だ。
会釈を交わしてすれ違って暫くしたら今度は反対方向からやってきて傍に止まった。
S君は土建屋の社長をやっている。
土建屋という呼び方に別段悪意は無い・・・とり方は人様々だ。
S君を○○建設の経営者と呼ぶのはとても不自然なのだ。
”土建屋のシャッチョサン”という呼ばれ方がこれほど似合う人も稀だ。
事業は順調で羽振りは良く、「家にエレベーター付けたい」と言うから営業マンを向かわせた事がある。
娘のために作ってあげたプールを主体にしたキャンプ場も運営している。
「やあ、仕事やってる感じでは・・・無いな?」
「ああ、家のことだけやって遊んどるよ」
「草刈り・・・とか?」
「ああ」
「人夫集めとるんよ」
「なるほど」
「ヒルがおるでな~、なかなか集まらんなあ」
「まあ、この体型見て貰ったら分かるだろう」
「そうやな」
「今年は誘導員も付けてきちんとやってるって評判良いよ」
毎年お盆前に道路際の除草作業が公共工事として行なわれる。
その作業は地元の土建屋に発注される。
そしてその作業員には地元の農家さんが雇われることが多い。
昨日自分の田んぼの畦を刈っていた人が今日は道路の除草作業を行なうのだ。
S君は軽トラを走らせてそのセミプロ作業員を釣り上げていくのだ。
この時期は皆自分の家の草刈りだけで精一杯だろう。
この辺にはそんな余力持っとる人はおらんよ。
S君はいつもの自転車操業スタイルで必要な人数を釣上げるまでは好きなアユ釣りはおあずけなのだ。
チョット待てよ、
この道路は県道じゃないか?
すると県発注工事?
まさかね、S君はそんなタイプ?ではないはずだが。
お隣のおばあさん発注の防獣柵は無残に錆果ててしまったじゃないか。
ちょっと調べてみよう。
村発注だった、ああ良かった、安心したよ。
何だろう 銘:気の向くまま
Kenichi Museum
