父母の施設に働くベトナム籍の女性は住み込みである。

最近彼女のための部屋が整備され与えられた。

父母の施設は多機能介護施設から認知症グループホームに変わったため空き部屋がある。

空き部屋を二部屋分彼女のために改修してシャワールームを完備した居住空間にしたようだ。

南方の人には風呂では無くシャワールームが絶対必要なのだろう。

もし彼女がシエスタに馴染んで育った人なら個室でゆったりと昼寝をすることも出来るだろう(許されるのなら)。

メコンデルタの肥沃な大地では米作りの捉え方が当地とは異なるのではないか。

籾を撒いて放っておけばたわわに実った稲穂が自然に育つ、年に二回。

農民は長い昼寝をして時間の経つのをやり過ごせば良い。

年一回の稲作に疲弊して「もうやめたい」と思ってもやめれないこの地の農家とは根本から違う恵まれようだ。

さらに彼女は知らない日本の雪の降る地方の農家にとってはもう天国とも思えるような環境であろう。

そんな恵まれた自然環境にあっても暮らしにくいこともあるのか彼女は日本に働きに来た。

彼女の母国での暮らしがどのようなものであるか知りたいとは思わないが、少し日本に馴れたころに日本の農家についての印象を聞いてみたい。

日本で二期作をやっている農家があったならそれはそれだけで賞賛に値するであろう。

冬の間に田んぼで大根などの野菜を作る二毛作はこの地でも無くは無いが米を二回穫ろうなんてチャレンジャーは皆無だ。

出来ることなら米も0回(無し)にして、更に「百姓をやめたい」農家がほとんどだ。

百姓をしない農家というのも変だが実際に私の周りではそのような農家が多い。

細々ではあるが年金で食っていけるのに田んぼや茶畑が有る為に割に合わない農作業で死ぬほど働かなければならない。

もう全部うっちゃって金払ってでも人にやって貰いたい、そんな人ばかりだ、やってくれる人はいないが。

「食料を生産する農家がこんなに虐げられている国は珍しい、政治の貧困であろう」

そう彼女が語ってくれると、私は嬉しい。

 

我が家のイソヒヨドリは二期作目に入った

太郎、「大丈夫だろうかオス鳥は?もう一度エサ捕りマシーンをやりきれるだろうか」

花子、「だから4個に減らしたんじゃない、きっと又バックレるつもりよメス鳥は」

 

 

 

 

水指          銘:肥沃な大地

Kenichi Museum