たったの1本。
昨日、大のおとな二人で竹藪をくまなく探し回って採ったタケノコが、である。
去年の同じ頃には確か5~6本採った覚えが有るから急激に獣害が進んでいるようだ。
私が幼い頃、この季節には毎日毎日食卓にタケノコが有って恐れたものだ。
今、山には獣たちのエサが減ってしまったのだろうか?
私はそうは思えない。
山の容量は私が幼かった頃から何も変わっていないように見受けられる、森林が開発されて減っていくような様子も無い疲弊した地域だ。
いや、確かに山は荒れて放置されているのは紛れの無い事実であるが、そのことは人間社会に不都合な影響は有っても獣の生息には好都合では無いのか?
自然の為すがままに放置されているのだから自然の住人である獣たちには幸いするのでは無いのか?
人間にとっては安部ちんが言うように杉や檜を1本切り出すと500円の赤字になるのが山林の現実である。
(安部ちんはその事実を「自分の資産は少ないんだよ」との例えに利用したが、この辺の人々は「それを何とかするのが本来の政治家だろうよ」と言う)
獣たちにとっては自然にゆだねられた山の方が人間のご都合から解き放たれて棲みやすいのではないか?
杉や檜だけの人工林にはエサになる広葉樹や木の実は少ないと思う、荒れてジャングル化した山の方が獣にとっての楽園では無いのか?
そんなことを思っているのだが私の考えはどうも間違っているらしい。
何が間違っているのかは未だ解らないのだが、
今年のタケノコが1本しか採れなかったことは事実だ。
獣は山を逃れて里に下りてきている。
