今日は父の通院日。

国から合理化を迫られている地域センターであるこの病院は近頃生体反応がまばらだ。

父を施設に迎えに行こうと自家用車に乗り込みエンジンをかけようとしたとき赤いカブがポストの前で止まった。

田舎の家には毎日何らかの郵便物が届くので暫く待機したまま様子を見ていた。

案の定、書留が一通含まれていたようでピンポンピンポン呼んでいる。

見ると私宛の封書だ。

心当たりがある。

時間を気にしつつ封書を開くと差出人は思った通り。

でも手紙の内容は思った通りでは無かった。

「貴殿の採用は見送ります」

心当たりはある。

先だってから田舎でパート労働への誘いがあり事を進めていたのだが、

相手法人がやけに真面目に事を進めているので嫌気が差していたのが事実。

私は真面目にパート労働をするつもりが無かった。

いや、相手が満足するレベルの仕事はきちんとやらせてもらうつもりだったけどね。

それは私が満足出来ることとは少し違う。

まあ、その辺の温度差を採用試験のときそれとなく3人の面接官に臭わせておいた。

採用・不採用どちらでも良かったんだけど相手はどう出るかな?

十中八九、桜咲く便りが届くだろうと覚悟していたところだった。

ところが面接官はこれまた真面目に私の将来を考えてくれて桜散る封書を送ってくれた訳だ。

夕刻Mさんの作業現場を見てくると、これはもう間違い無い。

やるつもりだな。

 

ルールその2:自分が満足できることをやれ。