部屋に閉じこもってしまう両親。

アットホームな雰囲気の中に飛び込めず二人は異質な空間を作っている。

実は予想していた。

初めて見学に来たとき即予感した不安、“自由過ぎるルール”に馴染めるだろうかと。

何をやっても良いのだが二人は殆ど何も出来ないのだ。

折り紙もお絵描きもゲームもカラオケも、猫と遊ぶことも。

楽しみを知らない人生を重ねてきたのだ。

息子が言うのもなんだが普通の人では無いのだ。

小規模なグループホームでの孤立はまずい。

施設長は両親の性格を見抜いていた。

「追々と屋外レクなどへも参加を促していきます、慣れてくれますよ」

この施設長よく出来た人だから任せますわ。

「梅雨時はwi-hi電波届かないのよ去年もそうだったの雨の影響ね」

それはちょっと違うような気がする。