老健施設(に限らず入所施設)は入所と同時に主治医が施設付きの医師(通常1名)になる。
サ高住等自由に外部医療機関に掛かれる施設は有るが、それは家庭環境に根ざす問題で入所した元気な老人達だけだ。
まず、そのこと(医療の貧弱さの)不合理な現状を訴えたい。
あまた有る専門分野の疾患をたった一人の医師(主に内科医)で診れる訳がない。
介護施設利用者は老化現象だけではなく様々な疾患を併せ持つ。
そこで恐ろしいことが平気で為されている。
投薬のカットである。
施設医の知識乏しい分野の投薬がカットされていく。
以前アリセプトについて書いたが、高価な薬を常用していると入所の門さえも重くなる。
薬を取るか入所を取るかの選択をさせられる。
施設によっては投薬費は200円/日上限なんてのが決められている。
それでないと施設運営に支障が出るそうだ。
結局のところ営利目的であるから入所者は手間要らず薬要らずの健康老人?が喜ばれる。
介護施設の問題と言えば職員の待遇改善も必要であろうが、人の命に関わることはもっと重大な問題である。
これが無理矢理医介連携させて医療費と介護費の抑制を図る国の冷たい施策の実態である。
国が見誤っているのは、家族は決して姥捨山に親を捨てたとは思っていない点である。
基準に適合させただけのお寒いお抱え医師に看取りをさせるだけでは連携でもなんでもない、只の姥捨山の仕切り人だ。
医介連携というのは全ての関係者にプラスのベクトルが作用するものでなければならない。
在宅介護が理想的でしょうと、介護の苦労を知らない人達は言う、本当にそう思えてしまう現状がはっきりと実在している。