現在進行形

 良い天気だった。

5月は爽やかな季節である。

一年で最もすごしやすい時期ではないか?

春と秋はともにすごしやすい気候ではあるが、春は何故か浮き浮き気分になり、秋は何故か物悲しい気持ちになるものだ。

酷暑になるのは知っていながらも、寒さに向かう季節よりは今の季節の方がありがたい。

浮き浮き気分になれないのは私だけか?

「寒い寒い」と言って眠り続けていた母も、ようやく起きだして活動(草取り)をしていたが、

やがて「暑い暑い」と言っては戻りソファーに寝そべる。

暫くすると又「寒い寒い」と言い出す。

今さっき「暑い」と言ってたのが「寒い」に化けている。

そして口を開けば「寒い」か、「暑い」なのだ。

母にとっては寒いのと暑いのが瞬時に切り替わるようで丁度良い体感温度は存在しないらしい。

 

 晴天から曇天に急変して雨粒がパラパラと落ちてきた。

天気予報は良く出来ているな。

まさかと思ったが青空のうちに洗濯ものを取り込んであったのは幸いだ。

要注意!

雨に変わるときは母の行動から目を離せない。

やはり、

ゴミ焼きを始めそうな気配だ。

生乾きの草を焼くのでたまらない。

夕食時にご近所に白煙と臭いが立ち込めてしまう。

説得(訳を理解できないから強制的になる)して止めさせるが、その経験も直ぐに忘れ去られる。

何回も何回も繰り返されてきたことである。

この先も、いったいいつまで繰り返すことになるのか。

私は浮き浮き気分や10連休とは無縁で沈みこんでしまっている、回復の道が描けないほど気が重い。

カラスの鳴き声も、お寺の鐘の音も、物悲しく聞こえてしまう。