現在進行形

 退職して以後確定申告は”律義”に行っている。

国税庁は私の様な年金生活者の場合、申告の”必要は無い”と言っている。

納税するためではなく見込みで源泉徴収されてしまった税を還付させるためにだ。

国は”税の還付を放棄して社会に奉納せよ”と言ってるかのようだが国による搾取行為だなこれは。

納めなければ罪になるが納め過ぎても構わないと言ってる訳だ。

e-TAXで電子申告を行えば源泉徴収票も添付不要だという。

マイナンバー制度で行政手続きの簡略化とともに個人の監視は急速に進んだようだ。

 私は税に対して、歳とともに意識が変遷してきた。

独身の頃は、「まるで私一人で社会を養っているのかいな?」、と思える高率の税と、

比して対照的な自身の受益の微小さに、「社会は独身者をいじめたいのか?」と思っていた。

未婚率の高くなった現在、若年層からの税収が増えていると思うが国は知らんぷりだ。

所帯を持ったころには消費税が導入され物品税が無くなった、そしてあれよあれよと税率がUPしていく。

生活苦で贅沢など出来ない境遇となっては、「物品税は残しても良かったんじゃないかい」、とも思った。

住宅ローン控除や生命保険、医療費控除には、「借金して危うい身体で死ぬほど働けいうこっちゃな」。

所得税の累進税率緩和や法人税減税では常に苦虫をかみつぶす立場。

高額納税者の公表もいつのまにか無くなり、広く浅く投げられた投網に絡めとられる感が定着。

それでも、

難病の妻を抱えてみたら、自分も病んでみたら、”支えられてる感”があるのだ。

この国には弱者を”見捨てられない”文化が根付いている。

律義に義務を果たそうとする大多数の善良な国民がいる。

支えあって人となる・・・だな。