現在進行形
今日父がショートステイに行った。
たった一泊であるが施設での生活の様子を少しでも知ってもらえればよい。
私はこのところ父の優れた思考力に驚くことがある。
昨夜は「おまえ、今度の日曜、断酒会やろ、行かんでええのか」と私を気遣ってくれる。
自分のことで精一杯だった以前の父とは違う。
人のことを気にしてくれるようになった。
私が忘れていたことも指摘してくれる、記憶力は非常に良い。
自分と母の服薬管理もちゃんと出来ている。
母の認知症が進行したことによって父の負担が増えたことにもよるのだろう。
父の頭の中で意識改革が進んでいる。
今日のショートステイへの持ち物は自分で用意が出来ていた。
不自由な身体であるにも関わらず自分自身で動いて用意できたのだ。
以前の父なら母頼りだったろうが、母はもう役に立たないと悟ったのだろう。
確かに母はもう頭の中が空白になっている。
不意に現れる過去の記憶の蘇りと現実の区別はつかず混濁してしまっている。
ときには昼夜の区別も解らなくなっている。
母と関わるのは大変な忍耐が要るが、父は辛抱強く聞き、母に適切に指示を出している。
母は言われたことは「はいはい」と直ぐ動ける身体能力が有る。
その行動能力が、時々、いや頻繁に、不要で無益なことになっているのが悲しい。
父が戻ったら今度は母がショートステイに行く。
施設生活を母はどのように感じるのだろうか?
その前に母の持ち物を用意しなければならない。
今日、「歯ブラシはどれ?」と聞いたが分らない。
母に聞くことは無意味で徒労に終わるから少し厄介なのだ。