現在進行形

 やはり冬は来るようだ。

夕刻の気温は10度を少し上回る程度に下がった。

暑い夏をどう乗り越えるかが課題であったが、今は寒さをどう乗り切るかに問題は変わった。

地球温暖化でもう寒い冬は無くなるかと期待もしたが、どうやらそんなことは無いようだ。

夏場でも時として「寒い!」と言う母である。そんな母に追い打ちをかけるような酷い寒さの冬にならないことを祈っている。

弱った両親には自然の環境も生死にかかわる問題になってきた。

 フランスが高速増殖炉の開発凍結を日本政府に伝えてきた。

マクロン大統領は遅まきながらもフランスの原発依存度を大きく引き下げる意向を表明した。

これによって高速増殖炉開発の予算は無駄なこととなって消える。

フランスとの共同開発に一縷の望みを持っていた日本の、増殖炉を核にした核燃料サイクル政策は行き詰ることとなった。

巨費を投じて失敗した「もんじゅ」や、似た道を進む「六ヶ所再処理工場」も、膨大な無駄として日本の歴史に刻まれそうな気配だ。

日本は改めて核燃料サイクルを構築し直さなければならなくなった。

今日本が早急に図らなければならないことは使用済み核燃料の処分方法である。

現在存在してしまっている原発についてその利用を国民が認めたとしても、貯まり続ける使用済み核燃料とりわけ世界が注目しているプルトニュームの利用方法についてウルトラCを見つけ出さない限り将来の暗雲は消えない。

日本の未来にはひどく寒い冬の季節が待ってそうだが、

私は政治に支配されない優れた日本人の知見によってウルトラCの道筋は描けるのではないかと思っている。