現在進行形
建設・介護・IT・農業、といった十数業種が上がっている。
深刻な人手不足に陥って外国人労働者にすがりたいと、政府が考える職業分野である。
政府は産業界からの要請を受け入管法の改正によって外国人労働者を投入して解消しようとする。
そもそも何故人手不足になっているのか?
アベノミクスの名目失業率に表れていない多くの失業者が存在するのに社会に出て働けないでいる。
それは労働に見合った待遇が得られない現状がそこに有るからではないのか。
待遇改善が成されれば眠っている日本人は集まるはずである。
「世の中で一番さびしい事はする仕事のない事です」との福沢諭吉の教訓には皆が同感することだろう。
建設業界は以前から3K職場と呼ばれ、きつい・汚い・危険な職の代表格である。
重層下請構造の建設業では日雇いの労働形態も一部生き残ってはいるだろうが、現在は雇用関係や安全面が厳しく監理されており、簡単には働けなくなっている。
1日働くために事前教育を丸1日受講しなければならないような状況なのである。
建設現場が欲しいのは”何もかも知っている解っている任せておける”即戦力の人材である。
頭数をそろえれば事足りるそんな職場ではない、日本語の不得手な外国人には働けない。
介護業界もきつく、ある意味汚い職場だが危険は働く側でなく介護される側に作用してしまうことがあるから恐ろしい。
何より介護保険制度施行以来の経験値が浅く、労働環境が未成熟であることが最大の人手不足の要因。
医療現場と同じく、人の命に関わる職業であるからもっと待遇を改善すべきだろう。
文化通念を異にする外国人には働きにくく介護される側にも何かしらわだかまりは有りそう。
IT業界は同じ3Kでも、きつい・給料安い・帰れないと気の毒な状況らしく、これは有能な外国人にすがって正解なのかもしれない、皆んな毎日家には帰りたいだろうから。
農業は成り立ちにくい構造が歴史上出来あがっているので農家は後継者さえ諦めてしまっている。
日本の農業は投入した労働に対して得られる収穫物が余りにも少ない。
モミ撒いて放置しておけば年3回米が収穫できる肥沃なメコンデルタなどと比べると、外国人は失望して早々に帰ってしまうだろう。
外国人材は既に適材適所に配置されているようにも思う。
大企業の経営陣からコンビニの留学生アルバイトまで違和感なく日本に溶け込んでいるではないか。
政府は人身売買マフィアへの肩入れのようなことを進めずに、もっと労働者の待遇改善に目を向けて、眠った日本人を揺さぶってみたらどうかな。