現在進行形
田舎での野菜作りの初級編は自己評価からして失格であった。
姉の評価はもっと辛辣で、「野菜の残骸処理に私の手を煩わせてくれただけ」だった。
まず消費量の把握が出来ていなかったのが失敗の原因だ。
田舎の両親は宅配弁当を取っているので食材を必要としなかったのだ。
それに認知症の母は調理をすっかり忘れてしまったし、父も調理が出来ないので自家野菜を食べることが出来ないのだ。
私と姉が田舎滞在中に食べるだけでは消費量はわずかだった。
以前母が一生懸命に作っていた野菜畑を私が引き継いでみようと、郷愁も作用して始めた野菜作りだったが成果は薄かった。
作った野菜は鳥獣の胃袋を満たして土に帰っていっただけに終わった。
しかし懲りてはいない、又、秋蒔き野菜の種を蒔いてやったのだ。
葉っぱ物だけにしたから、トウモロコシやモロヘイヤのように残骸処理で姉の小言を聞くことも無いだろう、素直に土に帰るはずだ。
今夏はなんとか乗り超えた両親だが、この冬はどうだろうとの心配が尽きない。
母はもう「寒い寒い」とホカロンを背に貼る。
会話も成り立たない両親の傍に居ると気が滅入る一方である。
介護施設も2件見学しては来たが私の印象は良くない。
両親にとってふさわしい今後の生活とは?私には解答が見つけられないのだ。
ダメな息子、そんな自己評価がいつも付つきまとう。