次なるドキュメント

2015年正月2日、母が入院。

年末に転倒して右大腿骨を骨折していた。

それにも拘わらず痛みを我慢して生活していたのだから驚く。

早速人工骨への手術が行われたが退院迄の道のりが長い。

医師は早くて3カ月と言う。

良く聞く話だが、ベッドで動けない母に表れた・・・認知症の気配が。

父は母に頼り切った日常生活だったが、母の入院中は一人で生活することになった。

有り難いのは田舎特有の互助精神だろうか、ご近所さんが良くしてくれた。

その前年夏に父は運転免許を返上している(90歳で、驚く!)。

何をするにも車で行かなければならない田舎であるから普段からご近所さんの協力は有ったが、

母の入院中は以前にも増して親切にしていただき、惣菜まで届けてもらうことが増えていたようだ。

姉も頻繁に両親の世話をに行っていた、母の付き添い看護や父の世話に泊り込むことが多くなっていた。

私も許される限り両親のケアに回ったが姉の献身的な動きに比しては微力であった。

姉からは「この先早期退職も視野に入れたほうが良い」と意見されるも、私はどうにも決断出来ずにいた。

長男の身で何十年も両親を放ったらかしていた私は弱気な心境にならざるを得なかった、今もそうだが。

その年春の彼岸頃に母は退院し、危うい老老二人暮らしが又ゆっくりと時を刻み始めた。