前駐日英大使が説く。
”世代間不公平”
「普通の政治家は次の選挙を考え、真の指導者は次の世代を考える」
これは19世紀に米国の牧師が発した名言だそうだ。
だがこの言葉は当時より現在の方がはるかに良く当てはまる。
少なくとも先進諸国の場合、国政選挙の流れは古い世代の有利に傾いている。
有権者は高齢化している、次の選挙を考える政治家たちが、
もっぱら高齢者に目を向けるのは当然の成り行きだろう。
年金や所有資産など既得権は守られ、
その代償を次の世代が負担する仕組みが作られ続けている。
このような先進国の世代間不公平は敗戦国の日本により顕著に表れている。
国政選挙への高齢者の投票率は若年層に比べはるかに高い。
戦争による歪な年齢構成が特定世代特有の現象をも生んでいる。
“団塊の世代は子供たちの未来を奪ったのか?”
そうとも言える。
段階世代はこう反論する。
「私たち多数層は過酷な競争社会を生き抜き、身を粉にして働き、今の日本を作り上げたのだ」と。
事実だ。
更に、
「出戻ってきた娘や孫の養育まで負担しなければならぬのが実情なのだ」と。
そうかも知れない。
然しながら、
経済成長期に有限資源をふんだんに消費しその恩恵を享受しておきながら先々のことを考えることに熱心ではなかった。
前世代の良き精神を継承せず、持続可能社会の仕組みを次の世代に残せなかった事実は消せない。
団塊世代2世を象徴とする若年層が現在遭遇している状況は過酷だ。
身の粉は親の世代よりずっと多く細かい、生きるか死ぬかの選択になることもあるのだ。
自然の摂理だと斜に構えて語ることは出来ない現実に遭遇している。
指導者はこのような事態を引き起こさぬことこそを考えねばならなかった。
少数意見に耳を貸さず次の選挙など考えている輩は真の指導者などとはとても言えない。
・・・延々。