一晩目
クランクケースを割りミッションギヤーを放り出す。
エアツールの音が住宅街に響く。
ギヤーの状態を見る。
シャフトの段付きを修正し、
ギヤーの端部をやすりでさらう。
バーナーで焼きなましOILで焼き入れる。
ギヤ端部のバリをさらい新品ベアリングで組む。
OILの臭いを石鹸で消して出社する。
二晩目
ヘッドを外し裏返しに置く。
ガソリンを注ぎ気密を確認する。
バルブSPを外しガイドにガタがないか確認。
たこ棒を用いてバルブとバルブシートを擦り合す。
仕上がったヘッドにガソリンを注ぎ気密を見る。
OILを塗ってエンジンヘッドを載せ空キックを数回繰り返す。
タペットクリアランスを調整し、
爪の汚れを入念に洗い流して出社する。
休日の試運転、
自分の仕事に贔屓せず冷静に機械の様子を観察する。
一点の気掛かりも無ければ幸せ。
 

一晩目
作業の前にビールを飲む。
クランクケースを割りミッションギヤーを放り出す。
バーナーでギヤを炙り焼きなます、
ギヤーの歯を適当に間引いて削り取る。
脈動グリグリ走行がグリップ力を増す筈だ。
あっ、奇数歯だったかしまったな。
まあいいか、2山連続削り取りだ。
衝撃的シャクリ走行は身の危険さえ日常のものにする。
走る日が楽しみだ。
二晩目
作業の前に日本酒を飲む。
ヘッドも外さずプラグ横にドリルの刃を当てる、
エンジンヘッドに小さい穴を貫通させる。
混合気の粘性に頼った可変圧縮エンジンの完成だ。
低回転では穴が呼吸し低圧縮のなめらかさ、
高回転では穴が呼吸せず高圧縮のパンチが出る。
我ながら素晴らしい思い付きだ。
たぶん訪れないだろうが走る日が楽しみだ。


アルコール性クリエイティブは休日の悪夢に変わる。