少年と蝉捕りをする。
耳鳴りの鬱陶しさを本物の蝉しぐれが消してくれる。
じっくり聞くと、
騒音のようなクマゼミの大合唱も、その一曲には起承転結があるようだ。
一曲鳴き終わると飛びたって新天地で又最初から鳴く本能らしい。
木の少ない都会の蝉は一曲終わって飛びたっても次に鳴く木が見当たらない。
くるっと回って又同じ木で鳴く。
一曲鳴くのに必要な生体エネルギーは決まっているようだ。
敵が近付くとジ・ジーとアイドリング待機して様子をうかがっている。
危険と判断したときには余った燃料を敵めがけて放出しミッションを終了する。
虫らしからぬ名曲を歌うのはツクツクボーシだ、一節唸ると言うべきか。
ツクツクボーシの歌を聞くころには夏も終盤である、
人は夏に疲れ、名曲も暑苦しい騒音に聞こえてしまうのが残念である。
ヒグラシの涼しげな鳴き声には、奏でるという表現が似合う、
暑さを忘れさせてくれる効果がある。
しかし、その効果を享受できるのは少数になりつつある、
夕暮れ時に山影を訪れてみるが宜しい。
立秋です。
まだまだ暑さは続きます。
お体ご自愛ください。