長い付き合いの女房です。
じつは持病持ちだったのです。
エアーバルブがちぎれ飛ぶこと過去3回。
ホイールにぽっかり開いた穴を見たときは驚いた。
3度目は高速道路上で発生。
プシイー、と背後で大型車のエアーブレーキのような音。
あらっ、後方の大型車を見逃していたか?と、思う間もなく尻が流れた。
ヤッベー、又やっちまったよ。
路側帯に寄せて無事止まったよ。
音を聞いてから5秒ほど。
幸い本線合流してすぐのことで、押して歩いてゲートまで戻る、流行りのじじいの逆送だ。
バイク屋に伝言入れ女房殿に四輪で迎えに来させる。
後でHモーターのオヤジに文句言う、「これは欠陥ぢゃな3回目だもん」
オヤジは言う「はいっ、欠陥です」きっぱり素直だ。
原付と同じ10インチタイヤでは回転数が高くなる。
バルブが受ける遠心力はタイヤ径が小さいほど大きくなる。
バルブの根元が遠心力で振られてちぎれ飛ぶ。
原付の速度では発生しないことが女房には表れる。
一気にエアーが抜ける恐怖の原因は必然の物理法則。
天下のホンダは予想しなかったのだろうか。
オヤジが自主対策を施してくれた。
横向きだったバルブを真っ直ぐな物に交換してくれた。
なるほど!
これならゴムへの負担は軽減できる。
しかし真っ直ぐだとエアーが入れ難い。
やはりホンダは確信犯だ。
寺の坊主からの苦情も多かったろうに、金属バルブに対策された事実は聞かない。
又オヤジに文句をいうと、
「そうなの~」と、こっちを見ない。
25年以上も女房に乗り続けている。
ゴムや樹脂など短命部品を考えるとメーカー設定寿命の三倍くらいでしょうか。
「あんたみたいな変人は自己責任で乗って頂戴」言われればその通りでしょう。
でも、
道具類を捨てることが出来ない貧乏性なのです。
電動シェーバーが25年、折りたたみ傘も20年使っている変態です。
新しいものは良い、という意識が希薄なので仕事上でも迷えてしまうのです。
磁石を引きずって鉄くずを集めて遊んだ私は、靴底の減らぬ歩き方も自然に身につき、
地べたに光り物など見つけるとつい視線を合わせてしまうのです。
日本国内で不完全燃焼のまま捨てられた自動車や生産機械がかの地に渡ってやっと本来の寿命を全うします。
この国には無駄な消費意識がはびこっています。
掘っては埋め、掘っては埋めの土建屋意識は皆に伝染しました。
経済論による窮状は精神論によって軽減できるのではないか?・・・と、思うのですが。